リクナビHRTechで人事採用の最適化へ 人事もAIを活用する時代

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採用と人事業務支援のシームレスな連携を視野にいれる

HRテックが世間で注目されるようになってしばらく経つ。リクルートグループが今、「リクナビHRTech」をリリースする狙いはどこにあるのか。南雲氏はこう話す。

「労働人口が減少する中で、企業はこれまで以上に採用業務の生産性を上げ、かつ採用後の定着・活躍、適切な評価なども含めた人事業務領域の最適化を行うことがますます重要になっていくと思います」

従来リクルートグループは、どちらかといえば採用時の母集団形成に強みを持っていたが、それだけでなく、採用管理業務や採用後の人事業務にまで企業を支援しようとしているのである。

「すでに提供している『スカウトサービス』は今後もデータベースの拡大や、利便性を改善していきます。今年の夏頃には中途採用の候補者をWeb上で効率的に管理できる『採用管理サービス』をリリースする予定です。さらにその後も、採用分野に限らない、人事部門の業務を最適化する機能を追加していきたいと考えています」(南雲氏)

今もなお、多くの企業は候補者の応募管理業務を表計算ソフトで行っているという。「リクナビNEXT」などの転職サイトや「リクルートエージェント」などの人材紹介会社から応募した候補者データを、表計算ソフトに手動で転記していては手間もコストもかかって大変だが、今夏に提供予定の「リクナビHRTech採用管理」を利用すれば、母集団形成から候補者管理までのデータ連携がシームレスに行えるようになる。採用担当者の業務も大幅に軽減できるだろう。

「人事部門の方々をルーティン業務から開放するとともに、よりコアな人事業務に特化していただけるようになると考えています」(南雲氏)

人事業務支援を行うツールはすでに他社からも販売されている。ただし、ほとんどのツールはある分野の人事業務を単発で支援する機能であり、その後採用業務と連携されることは少ない。なぜなら、それらのツールを販売する企業は、「リクナビ」「リクナビNEXT」「リクルートエージェント」といった強力な採用支援サービスを有してないためだ。その点では、リクルートグループが人事業務支援領域に参入することで、採用と採用後のサービスにシナジーを生み出せる可能性がある。

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