新興国市場で戦う 企業の競争力強化とグローバル化を推進する経営管理の実践

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講演Ⅱ
インドネシアにおける会計・税務の留意点

あずさ監査法人インドネシアデスク シニアマネジャー
石渡 久剛氏

今夏まで3年間ジャカルタに駐在していた石渡氏は、会計・税務の専門家として実務に即した話を展開した。まずインドネシア進出時の留意点として、交通渋滞、労働問題、不透明な法律運用などに加え、経理マネジャーなど中間管理職が不足していることも挙げた。現地拠点の形態としては、駐在員事務所から株式会社には移行できないので、事業を行う見込みが高ければ最初から株式会社を設立したほうがいいとした。ただ法人として実務を始められるまでには4、5ヶ月要することなどを話した後、会計や監査について説明。税務上の留意点としては源泉税や付加価値税など、月次で納付する税種が多いことを説明し、一番のトピックとして移転価格税制を取り上げ、現地の拠点任せにせず理論武装しておくことが肝要だとした。そして還付申請すると必ず税務調査が入るので、自社の考えや事実経過をきちんと説明できる態勢を整えるとともに、中期的なタックスプランニングを検討しておくことが重要だと結んだ。

講演Ⅲ
海外拠点で求められる基幹業務システム

インフォアジャパン 執行役員
JOCビジネス開発担当 本部長
佐藤 幸樹氏

海外に進出している日本企業をITの面で支援している立場から、佐藤氏は海外拠点としてのマネジメント強化、本社サイドから見た拠点マネジメントの重要性、という2点を伝えたいと最初に表明。タイムリーに現地の実績が上がってくるグローバルな情報基盤が必要だと強調した。そしてできるだけシンプルで使い勝手がよく、柔軟に対応できるシステムを選定すべきだとした。

さらに現地でITを管理・運用する必要があるのかと問いかけ、本社サイドで機能をシェアードすれば拠点は本来業務に集中でき、業務の標準化も進んで経営スピードも増すと指摘。インフォアの製品群を紹介し、ビジネスモデルや環境の変化に容易に対応できる「SyteLine」が特に好評だと述べた後、システムを現場に定着させるための勘所などを説明。インドネシアにも同社の拠点があり、今後も日系企業を支援していくと語った。

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