EV充電スポット、利用率41%増の意味 インフラ整備は「選択と集中」のステージへ

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経済産業省によれば、急速充電器は2017年1月現在で7204基。普通充電器も合わせると2万8000基以上がある。全国のガソリンスタンドの数が2017年3月末現在で3万1467カ所であることを踏まえると、充電インフラは整いつつあると言える。

EV利用者の間では、すでにこの整備状況は認知されたためか、利用率もこの1年で大幅に上昇している。

「2017年12月の高速道路の充電器利用回数は、前年同月比で33%増加しており、この数字はEVの増加率よりも大きいのです。つまり、充電スポットが増えていることが従来のユーザーに認知され、EV利用者の行動範囲が広がっていることの現れと考えています」(藤本社長)

足柄サービスエリアには2台の急速充電器と、それぞれ1台ずつ待ちスペースを設けている

藤本社長によれば、高速道路のみならず、コンビニエンスストアにある充電スポットの利用回数も飛躍的に伸びている。2017年12月は前年同月比45%アップ、合わせると41%アップという数字になる。

「利用データを解析すると、同じ人が同じスポットを利用する傾向があります。決まったシチュエーションでコンビニエンスストアに立ち寄り、充電の間にコーヒーを楽しむといった習慣が生まれつつあるのかもしれません」(藤本社長)

集客効果を期待する事業者も増加中

こうしたEV充電スポットを取り巻く状況の変化は、ビジネスのフィールドでも敏感に察知され始めている。集客装置としての価値を認め、設置を検討する事業者が増えているのだ。

「以前は、政府の補助金が出ている時期にしか問い合わせは来ませんでした。しかし今年度は、補助金の申請受付が終了してからも問い合わせが増えています。『日産リーフ』がフルモデルチェンジしたこともきっかけとなっているようです」(藤本社長)

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