東京2020大会とその先の共生社会へ 事業活動につなげる企業の取り組み

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企業の支援はビジョンの一致が重要

オリンピック・パラリンピックの成功を支援する大会パートナーはもとより、共生社会を支える存在として欠かせないのが企業である。さまざまな企業で多様な活動が行なわれている。

為末氏は「企業からスポンサーとしてお金をいただくだけでは、一過性のものになりがちです。そうではなく、企業の皆さんが日々の活動の中で目指されていることを、スポーツと一緒に、同じビジョンを持ってやっていくことが大切だと思います。『同じビジョンを持つ』上で、共生社会がこれからの重要なキーワードとなるかもしれません」と話す。

河合氏はさらに、障がい者視点の活用のメリットやマーケットの可能性について指摘する。「企業の商品やサービス開発の原点は、『不便や不自由の解決』です。日本の人口の6・7%にあたる障がい者たちは、つねに不便や不自由と対峙しており、そうした人々の視点によりイノベーションも起こせるかもしれません。これもまた、相互に生かし合う『共生社会』のひとつの形だと思います」。

東京ガス
東京2020オリンピック・パラリンピック推進室 室長
狩野友里

最近では、スポーツを通じた社会貢献活動に力を入れる企業も増えつつある。狩野氏は「大切なのは事業活動にどうつなげていくかという点だと思います。当社も地域の皆様に信頼され選ばれる企業になるために、『共生社会実現』と『地域社会の発展』を両立させる取り組みを進めていきます。ただし企業が1社でできることには限りがあり、複数の企業が連携して初めて実現することもあります『共生社会の実現』という目標に向かってであれば、さまざまな企業、行政、団体などが一体となって取り組めるのではないでしょうか。20年およびさらにその先に向けて、そのような連携が増えることを期待しています。当社もぜひ地域社会に貢献する『暮らしや街づくり』といった部分で皆様と力を合わせていきたいと考えています」と結んだ。