外資系企業が日本で採用を活発化させる理由 アジア地域における人材採用の可能性

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また、「報酬だけでなく、業務を通じてより大きな裁量ある仕事に取り組めるなど、グローバルにキャリアパスを描き、実現できるのが特長で、そういったチャレンジをしたい日本人は増えています」と加えた。日本人が自分の求めるキャリアを考える際の、選択肢の一つになってきているようだ。

外資系企業が求める人材のソフト、ハード両面での要件

RGF HR Agent Japan
マネージング ディレクター
マシュー ニコルズ

外資系企業の側では、どのような人材を求めているのだろうか。ニコルズ氏は次のように答える。「日本の人であれば、日本語と英語のバイリンガルであること。新興国に力を入れている企業であればさらに現地の言葉も含むトリリンガルであると有利です。ただし、言語はあくまでもコミュニケーションツールの一つ。大切なのは同僚や顧客をはじめ、さまざまな人たちの文化や考え方を尊重する姿勢です」。

さらに、最も重視されるのは専門性である。この点については数年おきに部署のローテーションが起きる日系企業とは異なる採用基準といえるだろう。「海外の企業では、ポテンシャル採用はまずありません。逆にいえば、特定の業界や職種に関する専門知識・経験・能力のある人は引き合いも多くなるでしょう」(ニコルズ氏)

前述したように外資系企業にとって日本はまだ成長の余地が感じられるようだ。マッカイ氏は「キーワードは『変化』を促すことができる人材です。外資系企業から見れば大きな投資をしているわけですから、『安定』ではなく、毎年成長し続けることが求められます。既存のやり方に固執せず、時にはリスクをとって大胆な意思決定をし、組織や市場の変化を促していくことが、経営幹部や管理職者には特に求められます。日本では、さまざまな規制や慣習の壁などもあり、簡単ではありませんが、大きなやりがいのある仕事だと思います」と話す。

RGFのブランドを再編しアジアの人材紹介事業を強化

ここまで、外資系企業が日本市場でも採用に意欲を見せていることを紹介した。だが、その外資系企業でもすべてが採用に成功しているわけではないという。マッカイ氏は「たとえば日本法人のCEOを採用する場合、どのような人物がふさわしいのか入念に議論する必要があります。サーチした結果、時には『今回は適した人がいません』と答えることもあります。決して妥協はしません」と言い切った。RGFグループの徹底した顧客と向き合う姿勢もうかがえる。同氏はこうも続ける。「昨年1年間で700人以上の経営幹部・上級管理職の紹介を行いました。中には大手外資系モバイル機器メーカーの日本法人CEOなどの例もあります。需要は高まっており、日本人にとっては大きなチャンスがあると考えられます」。

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