外資系企業が日本で採用を活発化させる理由 アジア地域における人材採用の可能性
日本市場は伸びしろがあり、外資系企業にとって魅力
世界の生産基地から巨大な消費市場へ転じつつある中国、中間所得者層の拡大が急速に進むインドネシアなどの新興国。アジア経済を牽引するこれらの国を眺めながら、日本はかつての勢いを取り戻せないのか。
その問いに対して、シーディエスアイ(CDS)代表取締役のストルアン・マッカイ氏は「答えはノーです。一定の規模の安定したマーケットができ上がっているというのはポジティブにとらえるべきです」と話す。
さらに「日本には研究開発や製造の分野で世界トップクラスの技術や経験を有する優れた人材が多く、自動運転車の開発など、新たな分野でも伸びしろがあります。さらに、日本の消費者の感度・要求度の高さは外資系企業の関心の一つ。海外の企業にとっても自社の新たな商品やサービスを試す場としてうってつけで、日本で成功したものは、他の国へ展開しやすいともいわれています。日本のマーケットの需要に応じてカスタマイズされた製品やサービスが外資系企業の本国や他国に逆輸入されるケースもあり、多くの外資系企業が日本市場に魅力を感じています」と続けた。
CDSは、RGFのグループ会社であり、Cレベルの経営幹部層や上級管理職層の紹介を行うエグゼクティブ・サーチ会社である。同社はそれぞれの業界に特化した専門コンサルタントを擁しており、外資系企業経営層の視点から、多様な業種・職種におけるニーズを熟知している。
外資系企業でのキャリア形成が選択肢の一つとなった
管理職・専門職から若手社員などの幅広いバイリンガル人材向け中途採用サービスを手掛けるRGF HR Agent Japan マネージングディレクターのマシュー・ニコルズ氏は、求職者の意識の変化について次のように語る。
「外資系企業で働くことの魅力が注目されています。たとえば、性別・国籍も問わず、多様な価値観あふれるダイバーシティの根付いた環境や、一貫した評価制度、そして成果に基づいた報酬が得られることなどがあります。日本の転職希望者に意識の変化が起こってきており、最近では日系企業から外資系企業に初めて転職する人も増えています」。