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建築市場で進むデファクト化を探ってみた システム建築が採用されている理由とは?

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  • 横河システム建築 制作:東洋経済企画広告制作チーム
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景気の回復感が広がる中、企業の設備投資も活発になっている。各地で工場や倉庫などの建設が急ピッチで進む。これらのほか、店舗、スポーツ施設なども含め、さまざまな建物で、「システム建築」が採用される機会が増えている。高品質な建物が短工期、低コストで建てられるとして、施工実績が急増し、デファクトスタンダード(事実上の標準)になりつつあるのだ。中でもシェアを拡大しているのが「yess建築」だ。
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(左)アインスAリゾート整備工場
(中央・右)御殿場高原 時之栖体育館

「システム建築」に関心を持つ企業が全国で増えている

大島 輝彦 / 横河システム建築 代表取締役社長。1981年に横河橋梁製作所(現横河ブリッジ)に入社後、 システム建築事業部袖ヶ浦工場長などを経て、02年横河システム建築へ転籍。 05年取締役、10年常務取締役、16年6月より現職。東京理科大学卒

「最近になって、事業主様から直接当社に『物流センターをシステム建築でつくりたい』といったご相談を受ける機会が増えています。施工実績が増えるごとに、お客様の関心が高まっていることを感じます」と話すのは、横河システム建築の大島輝彦社長だ。

同社はシステム建築「yess建築(Yokogawa Engineered Structure System:イエス建築)」を開発・提供している。システム建築は、鉄骨、屋根、外壁、建具などの部材を標準化することにより高品質な建物を短工期、低コストで建築できるのが大きな特長だ。

部材の標準化といっても、設計の自由度は高い。「yess建築」なら1ミリメートルピッチで、スパン、間柱、桁行(建物の長さ)、軒高などを設定でき、要望に応じてクレーンの設置なども可能だ。最大60メートルものスパンに対応できるのも「yess建築」の強みだ。

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A 岡山国際スケートリンク
B 安藤自動車座間工場
C 丸和 気仙沼さくらボウル
D MORESCO赤穂工場第5倉庫

「当社では、部材の標準化だけではなく、営業の見積・積算、生産設計、工場での実際の生産まで、ワンストップで行えるシステムを構築しています。また、千葉県袖ヶ浦市にはシステム建築専用工場を有し、鋼材の調達から設計、加工、輸送までを一貫して行っています。このため、短工期・低コストが可能になっています」と大島氏は話す。

工場では常時2~3ヶ月分の材料をストックしているため、契約後45~60日で建方を開始できるという。標準的な1000平方メートルの倉庫の場合、確認申請から上屋工事完了まで在来工法で約190日間かかるケースでも、「yess建築」なら約120日間と70日間も短縮できるというから驚く。

「短工期」「低コスト」「大空間」を特長とする「yess建築」は従来、工場や倉庫などでの引き合いが多かったが、最近では、店舗、ライブシアター、スポーツやイベントに使うアリーナなどでも採用事例が増えているという。

「『在来工法だけでなく、システム建築でできるのではないか』と問い合わせをされる設計事務所・建設会社、さらには事業主様が増えています。システム建築が『デファクトスタンダード(事実上の標準)』になりつつある手応えがあります」(大島氏)

「ビルダー」「エレクター」とのネットワーク

システム建築は、建築現場で深刻化する人手不足を解決する選択肢としても期待されている。実際、100平方メートルから5万平方メートルクラスの規模に対応できる「yess建築」は、これまで約8300棟の受注実績がある。2017年度の受注面積は90万平方メートルを上回る見込みだ。

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2017年の受注実績は過去最高となる見込みだ。シェアも確実に上昇している(出所 横河システム建築)

現在、小規模建物向けの既存商品「スペースMAX」「メタルガレージ」の経済性・デザイン性・強靭性を高める開発に取り組んでおり、来年度にリニューアル販売を予定している。

今後、システム建築が採用される機会も増えていくと考えられる。その中で、「yess建築」が設計事務所や顧客企業から高く評価されているのにはどこに理由があるのか。

「前述したように、システム建築専用工場を構え、積算・設計から施工までのプロセスを標準化していることに加え、『ビルダー』と呼ばれる地域の建設会社のネットワークで、事前の相談から見積、施工、メンテナンス、増築や改修まで地域のお客様企業の要望にきめ細かくお応えしています」(大島氏)。

現在、ビルダーの数は北海道から沖縄まで全国約1000社。また、同社では全国に100社以上の現場施工会社(鉄骨板金エレクター)網を構築している。

「このようなネットワークを活用することで、各地域の企業の固有のニーズに対応できるだけでなく、お客様の事業の広がりに合わせたさまざまな提案も迅速に行えます」と大島氏は胸を張る。

同社の技術力を生かした、付加価値の高い建物も定評がある。たとえば、「YMA(Yokogawa Movable Architecture System:可動建築システム)」は、可動構造を実現する高度な特殊建築技術で、大規模スタジアムやオールシーズンプールの開閉屋根で多くの実績を有している。産業施設向けに、「yess建築」を移動上屋としたり、最大幅48メートル×高さ16メートルもの大開口を実現する大型自動開閉扉「タイタンドア」もリリースしたりしてきた。造船工場や航空機格納庫、大型重量製品の製造工場・塗装ヤードなどでニーズがあるという。同社ではこのほか、建物の屋根に設置した太陽光発電システムでも20年を超える実績がある。「yess建築」の建物に、「YMA」の可動構造や太陽光発電システムを組み合わせるといった提案も行っている。

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(左)YMA:学校プール可動屋根
(右)タイタンドアと呼ばれる大型可動扉の施工例。中型航空機の格納庫といった用途に対応できる

専門家でなくてもイメージできる「yess見積3D」

「今年度の見積件数は約3割増加しています。全国のビルダーと一緒になり、質の高い提案ができることが、当社への引き合いにつながっています」と大島氏は話す。

それを実現している一つが、同社独自の「yess見積3D」システムだろう。図面や見積書の作成のほか、建物の完成イメージ図を三次元パースで提案できるもので、施主企業の要望に応じて、寸法や建具配置、色の変更なども柔軟にできる。企業のロゴを入れたり、外壁をコーポレートカラーにしたりと、変更図も簡単に作成できる。何よりも、完成イメージを理解しやすいことから評価も高く、受注にもつながりやすいという。

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施主のスムーズな意思決定に貢献する3Dの見積システム。
外壁の色や企業ロゴの有無など、さまざまなパターンを容易に検討できる。

横河システム建築ではさらに、「yess建築」のイメージを伝えるために、ドローンによる空撮や360度パノラマ映像など、最新の技術を活用した動画や写真を豊富に掲載したWebサイトも用意している。同サイトは月間で5万アクセスもの閲覧があるというから、注目のほどがわかる。施工実績のページでは用途や地域、キーワードなどに応じて検索できるので、これから工場や倉庫、店舗などの建設を計画している企業にとっては大いに参考になるだろう。

大島氏は、「『yess建築』を通じて、地域の企業の競争力向上や地域活性化のお手伝いをしたいと考えています」と語る。これから、「yess建築」が企業や地域にどのような価値を創出していくのか。新しいニュースにも注目したい。