働き方改革に「失敗」するマネジャーの特徴

「働きやすさ」だけではやりがいは生まれない

多くのマネジャーは、なぜ自分のメンバーは自分が思い描く理想的な動きをしてくれないのか、良かれと思って出した指示をなぜ受け入れようとしないのか、といつも悩んでいる。だが、MMSを使って視点を変えるだけで、理解してもらえることも多いのだという。

「たとえば、マネジャーにこう問いかけます。『周囲に強い不満を抱えている時に、上司に自身の課題を指摘されても、反発したくなりませんか。あなたのメンバーはそういった心境です』。このように少し指摘することで、メンバーの日常の言動が途端に腑に落ちるのです」

MMSの導入後、「手取り足取り指導しようとしていたが、逆効果だったことがわかった」「マネジメントが楽になった」「これまでどんな球が来るのだろう? と迷いながら打席に立っていたが、これによってメンバーがこれから何を投げようとしてくるかがわかるので、格段に打ち返しやすくなった」という声も上がっているという。

一般的に、世のマネジャーは、登用時に基礎的な研修を受けた後は研修等の支援を受ける機会がないことも多く、自己流のマネジメントを強いられ、日頃のメンバーマネジメントに悩んでいてもなかなか解消することができずにいる。冒頭のテレワークのマネジメントの例も、このあたりにポイントがありそうだ。

一人ひとりの「心理」に焦点

「MMS」は2017年にサービスを開始したばかりだが、すでに導入事例も増えている。その一つ、NTTデータの現場統括部長のコメントを紹介したい。

「当社では従来、従業員満足度調査を職場単位で集計、フィードバックしていましたが、具体的な改善策につなげることが難しい面がありました。『MMS』なら、上司と各社員のギャップなど個人に注目して改善の打ち手を考えられることも魅力的です。現場でも、より対策を講じやすいという声が多く、これまでの社員満足度調査では見えなかった従業員の心理状態まで踏み込んだ分析結果が、客観的に提供される点を評価しています。

また、ギャップを洗い出すことで、サポート要員を割り当てるなど業務負荷の軽減に取り組むことができました。社員個々人が担当している仕事量の負担感が明確になったことで、仕事のアサインや役割分担を見直す契機として活用できそうです。継続的に実施し、改善の効果を数値で把握することが打ち手の確認につながり、管理職にとって有効なツールになりそうです」(NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部情報ビジネス統括部統括部長・福田昭弘氏)

ICTの時代だからこそ、一人ひとりの「心理」に焦点を当てたHRマネジメントが企業の生産性を左右することになるのではないか。こうした取り組みは、マネジメントに悩む企業はもとより、現場力を高め、社内を元気にしたいと考える企業にとっても一つの選択肢になりそうだ。

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