ダイキン、新エアコンの本気度がすごい トースター、炊飯器に続く指名買いはコレだ
新しい空調文化をつくっていくために
エアコンには、上級機、中級機、普及機という三つのグレードがある。ダイキン工業のフラッグシップである「うるさら7」は上級機だが、この「risora」は中級機の位置づけだ。その背景には、「理想の空間の一部になり、心地よさを届ける」というコンセプトのもとで開発されたこの戦略商品が、価格がハードルになるようなことは避けなければいけないという考え方がある。同社の並々ならぬ強い思いがうかがえる。
なるほど、これならインテリアや家具と同じように、エアコンもデザインで選びたくなるのではないだろうか。いままでのように部屋の広さと価格を前提に「エアコンをください」という選び方ではなく、「『risora』をください」という指名買いも増えそうだ。国内で発売されるのは3月下旬。その後、年内中に海外でも順次発売していく予定だ。
「この商品を次代のエアコンのスタンダードにしたい。世界のエアコン市場を変える力を持った商品だと確信しています」と、舩田氏は力強く言う。「しかも、今後はいろいろなニーズに対応した商品を増やしていくことで、お客様の選択肢を広げ、楽しみながらエアコンを選べるようにするのが、当社の役割であり、これからの戦略なのです。『risora』が市場に出ることにより、『エアコンもデザインで選んでいいんだ』という気付きがお客様にもおありになるでしょう。そしてそこからお客様のいろいろな声や要望が出てくる。それにお答えすることで新しい空調文化をつくっていくのが、当社の最大の目的、ミッションなのです。空調専業メーカーとしては、こちらから仕掛け、市場をつくり、そこで勝ち抜いていくしかありません。その第一弾が、この『risora』なのです」
次はどんな商品が出てくるのか。今度は何を提案してくるのか。今までそんな気分でエアコン市場のことを考えたことがあっただろうか。もしかしたらダイキン工業の新戦略は、すでに成功し始めているのかもしれない。