楽天トラベル新サイトが創る新しい旅行体験 世界中で選ばれる次世代プラットフォームへ
「ユーザーインターフェースの変更のポイントは、モバイルファースト、シンプル、グローバルの3つです」と高野氏。背景には、近年の旅行市場を取り巻く環境とユーザートレンドの大きな変化がある。今やサイト利用の多くがスマホにシフト。求められるインターフェースも画像や動画などを中心とした、直感的で、シンプルなものを好むようになっている。こうした傾向は海外でも同じ。インバウンド市場の急拡大を見るまでもなく、世界中のユーザーに使いやすいサイトであることは、最初に選ばれるOTAとして欠かせない要素だ。
また、旅行者は、さまざまな宿泊のカスタマイズも可能になる。これまでは、たとえば朝食付き、家族風呂やエクストラベッド、アメニティのグレードアップといったオプションが客室とセットになった「宿泊プラン」の形態で販売されていたが、リニューアル後は客室のタイプ、多彩なオプション、さらには適用可能な割引などプロモーションの3つをそれぞれ選択し、自由に組み合わせて予約できるようになる。ユーザーは旅をより自分好みにデザインすることができ、宿泊施設もどのオプションあるいはプロモーションの人気が高いのかを明確につかめる。人気のオプションを強化したりプロモーションに活用したりと、宿の強みを最大限に生かすきっかけにもなるだろう。
さらにリニューアル後は、宿泊施設だけでなく、航空券やレンタカーやバス、アクティビティなどについても、一括で予約できるようになる。「検索→選択→予約」というフローを繰り返さずに、一つのプロセスの中で旅のすべてを予約できるのだ。
一方、宿泊施設に対しては、カスタマイズできるページの入力作業を容易にした。SNSに投稿するのと同じ要領で、画像と簡単なコメントをスマホから次々アップできるという。これにより、その宿ならではの特色や魅力、よりホットな情報を宿自身から打ち出しやすくなる。さらには、一回の入力作業で多言語にも展開できる。これにより訪日客の検索にも対応できる。
旅行業界をエンパワーメントしていく
では、こうした全面リニューアルの先に、どんな世界を描いているのだろうか。高野氏に聞くと、「一つの理想形として」との前置きの後に、こんな答えが返ってきた。
「たとえば、楽天トラベルで検索して上位に出てきたホテルを予約して訪れてみたら、部屋には自分が大好きなアロマオイルが焚かれていて、家具も自分の趣味にぴったり合っていた、といった体験ができるところまでいきたいですね」
つまり、予約サイト上で超高度なベストマッチングを実現することで、サイトには表現されていなかったことまでその人の趣味に合う宿泊施設が結果的に選択できていた、という世界だ。
そして、インタビューの最後を次のように締めくくった。
「今後インターネットサービスは、いよいよグローバルな競争になります。その中で日本のインターネット企業がきちんとグローバルに展開して勝ち抜いていかないと、日本の成長もないのではないでしょうか。日本発のインターネットサービスである楽天トラベルは、今回のリニューアルによって、これまで以上に宿泊施設の魅力を引き出し、エンパワーメントしていきたい。もちろん旅行者の皆様にも、すばらしい旅の体験を提供し続けていきます。それが、旅行業界全体のエンパワーメントにもつながっていくと信じています」