「個別指導」が家庭教師より生徒を伸ばすワケ 2020年度の教育改革に親も子も戦々恐々

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国がこのような改革を進める背景には、将来への危機感があると田上社長は語る。

「実は、海外の先進国ではこのような思考力や表現力を重視する教育がずいぶん前から主流になっており、日本は遅れていると言わざるを得ない。アジアの国々の台頭、国内での産業構造の変化、急速なグローバル化によって、日本は大きな変革のときを迎えようとしています。これまでのように勤勉に取り組むだけでは、世界の国々と渡り合っていけません。急激な変化に対応し、社会の中で発想力や交渉力を発揮するためにも、教育においてその土壌を育成する必要があるのです」

来たる教育改革のキーワードとして掲げられているのが、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)だ。「思考力・判断力・表現力」や「学びに向かう力」を育てるために、自ら取り組み、人とのかかわりの中で学びを深めることが求められるという。

「これは明光義塾が掲げてきた教育方針と合致します。明光義塾では教室で講師とのコミュニケーションの中で生徒は学びを深め、単に『教わる』のではなく、自ら考え、取り組む姿勢を身に付けることを重視してきました。私たちが続けてきたのは、まさにこれからの時代に求められる教育だと自負しています」(田上社長)

「MEIKO式コーチング」で自立学習が進化

さらに、2020年度を見据え、明光義塾では新たな取り組みをスタートさせている。それが、「分かる 話す 身につく MEIKO式コーチング」だ。これは、自立学習をより進化させるために編み出された新メソッドで、「振り返り授業」と呼ばれるオリジナルの学習法がベースになっている。内村航平選手を起用したテレビCMで目にしたことがある人もいるのではないだろうか。

「数年前から『新生明光プロジェクト』をスタートさせ、社内各部署から有志で集まったスタッフが自立学習をどう進めていくか検討を進めてきました。教育工学が専門の東京学芸大学情報処理センターの森本康彦教授など外部有識者の意見も取り入れ、生徒が学んだことを再構成し、理解を深め、さらに効率的に学習を進めるためのメソッドを開発したのです」(田上社長)

MEIKO式コーチングは2016年より先行して一部の教室に導入し、今年からすべての教室に導入される。

「すでに導入された教室では着実に成果をあげている」と田上社長が胸を張るMEIKO式コーチング。後編では、その詳細や実際の授業の様子、生徒たちの具体的な変化についてレポートする。

>>>後編はこちら