「個別指導」が家庭教師より生徒を伸ばすワケ 2020年度の教育改革に親も子も戦々恐々
わが子の幸せのために「どのような教育を与えるべきなのか」という親の悩みは、いつの時代も共通している。だが、その悩みの解が「いい大学に入るために受験のテクニックを磨く」ということでは、この先、子どもは苦労することになりそうだ。
なぜなら、2020年度には「明治の学制実施以来」とも言われる教育改革が待ち受けているからだ。目の前まで迫っている改革を前に、小、中、高校生の子どもを持つ保護者は不安を募らせている。
「学び」の考え方そのものが変わる
「かつては、教育改革によって学習量を減らし、学ぶ意欲や思考力を伸ばす教育、いわゆる『ゆとり教育』が実施された期間もありました。しかし学力の低下が叫ばれ、国は途中で方針を転換。再度学習内容を増やし、今はまさにその”揺り戻し”の時期にある。そして、2020年度の教育改革では、学習量や内容だけでなく学びに対する考え方そのものが変わろうとしています」
そう語るのは、明光義塾を運営する明光ネットワークジャパンの田上節朗社長だ。半世紀にわたり「個別指導」というスタイルを貫いてきた、まさにパイオニア。
受験、定期テスト対策、学校の勉強の補習。子どもの日常にとってもはや学習塾は欠かせない存在となっているが、中でも個別指導塾のニーズは高まっている。
「明光義塾が全国展開を始めた80年代当時、個別指導の塾はほとんど存在せず、学習塾と言えば、教室で講師が大勢の生徒を前に講義する集団講義スタイルが一般的でした。しかし、集団塾では一人ひとりの学力や理解度に合わせた学習プランの提供が難しい。理解できていないまま取り残されたり、逆に、先に進みたいのに他の生徒を待たなければならなかったりするなど、きめ細やかなフォローが難しいのが実情だったのです」(田上社長)