グローバル競争を勝ち抜く、
価値提案型オムニチャネル・コマースの実現
スマートフォンやタブレットの普及をはじめとするIT環境の急速な変化に伴って、日本でも関心が高まっているオムニチャネルリテイリング戦略を考えるフォーラムが8月、東京都千代田区で開催された。
参加した経営者やマーケティング担当者らは、オムニチャネルの統合的な運用に成功した海外の先進的な取り組み事例などを交えた講演に、熱心に聞き入っていた。
参加した経営者やマーケティング担当者らは、オムニチャネルの統合的な運用に成功した海外の先進的な取り組み事例などを交えた講演に、熱心に聞き入っていた。
【主催】東洋経済新報社
【協賛】ハイブリスジャパン/電通レイザーフィッシュ
【協賛】ハイブリスジャパン/電通レイザーフィッシュ
基調講演
オムニチャネルリテイリング戦略の実現
野村総研の藤野直明氏は、オムニチャネルリテイリング戦略について「初歩的な誤解がある。オンラインで需要喚起し、単にオフラインの店舗に誘客する020(オンラインtoオフライン)という話ではない」と述べ、コンセプトを説明した。
今の顧客は、PC、スマホ、タブレット、コールセンター、カタログなどさまざまなチャネルを使って意思決定しており、顧客の購買体験は1チャネルだけではとらえきれない。小売業は店舗立地をカギにモノを売る考え方から、サービス業へのパラダイムシフトが起きているとした藤野氏は「高い顧客満足を提供するためには、おもてなし力=リアル・タイム・パーソナライゼーションが問われる」と主張。オムニチャネル戦略によって収集した、顧客の情報から欲しい商品を的確に提案する個別型サービスの重要性を強調した。これらの実現には、チャネル横断で商品管理、顧客管理を行うITシステム整備と、店舗・通販などチャネル別組織を統括して戦略を立てるCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を設置する組織改革の二つのハードルを越えなくてはならない。藤野氏は「担当部署は既存組織に存在せずトップダウンが必要」と訴えた。