在庫300億円超の専門商社を支えるERP 激動の時代を生き抜く先手必勝のIT活用

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トラスコ中山東京本社では、大阪本社にあったデータセンターを「魅せるデータセンター」Solemare(ソルマーレ)として移転。強固な免震構造を備え、100台以上のサーバーを揃えている

数見 これも今、日本IBM様とプロジェクトを進めているところで、2018年の1月から「S/4 HANA」に移行した時のインパクトアセスメントを実施することにしています。在庫50万アイテムを実現すると、現在は夜間のバッチ処理で受発注や会計などのデータを更新していますが、それでは間に合わなくなるかもしれません。業務の絶対的な安定稼働を大前提に、ERPの S/4 コンバージョンを検討しているところです。自動化やデジタル化をさらに進めることで、お客様に提供できる価値をもっと高くしたいと考えています。

商品カタログ「トラスコ オレンジブック」は、モノづくり大辞典として、製造現場に欠かせないアイテム

内田御社は「がんばれ!! 日本のモノづくり」が企業メッセージですが、当社はそういう企業を支えるのが唯一無二のミッションです。企業価値を創出するために必要なものは何か、お客様とよくディスカッションしたうえで、本当に必要なテクノロジーは何かを検討し、ITのツールを集めてエンジニアリングのようにまとめてビルドしていく。お客様と共に目標や戦略をつくり、それが決まったらすぐにインドや中国でシステムを構築する。そういうところをIBMはもはやファクトリー化していますから、スピード感をもってソリューションをご提供できます。

激しい変化の中でも必ず先手を打てるようになる

数見 IBM様やSAP様に何をしてもらえるかという発想はNGだと思います。トラスコ中山が何をしたいのか、それを明確にできるかどうかにかかっているのではないでしょうか。その点でIBM様とは長いお付き合いなので、トラスコが何をしたいのか、どう考えているのかよく理解してくれていますから、最適なパートナーだと思っています。S/4 コンバージョンの時期になったからといって、受動的にシステムを導入するのではなく、その時にトラスコのしたいことを実現するのに本当に必要な道具が何かというのが見えてくるし、いろいろなツールを利用させてもらうこともできる。トラスコらしく、トラスコでしかできないことをどれだけ見つけられるか。絶対にモノマネをしてはいけないと思います。

内田 おっしゃる通り、何をしたいかが重要です。御社とは本当に長いお付き合いをさせていただいており、御社のプロジェクトにかかわっている当社のメンバーは、御社の社員に近い発想でいろいろご提案をさせていただいています。だからそれは必ず御社のビジネスで役に立てる可能性が高いのです。一緒にそういうものを見つけていくことが大事で、それが見つかれば、今のテクノロジーでたいていのことは実現可能です。S/4HANAに蓄積された膨大なデータをIBM WatsonTM の AIを通して最大活用することも競争優位を確立するひとつの打ち手になりうると確信しています。このようなテクノロジーの積極活用により、激しい変化の中でも必ず先手を打てるようになると考えています。

数見 当社は社長の中山が毎年、四文字熟語でメッセージを発信しています。2017年は「現状否定」でした。常に自分たちの発想と行動を疑い、否定することで新たな成長に繋がるということだと私は理解しています。2018年は「断層時代」です。今の時代は大きなうねりが渦を巻いていて、AIやIoT、EVなど、世の中が大きく変わる可能性があります。そういう時代に自分たちは何をしなくてはいけないのか、よく考えなければならないというメッセージです。

内田 50年後、あるいは100年後に振り返ってみたとき、2018年から2020年あたりは大きな変化点になっているかもしれませんね。政治や社会もそうですが、とりわけテクノロジーという面で今は大きな変化点にあるように感じます。それだけ、面白い時代にいるということは、チャレンジをする上ではラッキーなのかもしれません。数年後にはAIが人間の脳を超え、どんどん自己学習を続けていくという見方もあります。ただ先ほども言ったようにAIは人間の育て方次第ですし、AIは早いスピードで1を100にすることは得意ですが、0から1を生み出すことは難しい。そこはやはり人の役割です。トラスコさんはまさに0を1にするようなチャレンジングな企業ですから、私たちはそれをテクノロジーでサポートするチャレンジをしたいと思います。

※IBM Watsonは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。

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