オリックス、全国へ地熱発電推進の勝算とは

事業領域を拡げてきたからこその強みがある

人々の生活の根幹を支えるインフラであるがゆえに、当然ながら長期的な視野が求められる。田巻氏は続ける。

「ただ発電所を運営することだけではなく、地熱発電事業をきっかけに、地域を活性化することが求められていると感じています。またオリックスとしても、地域が繁栄していなければ、発電事業を長期的に運営していくことができません。運命共同体とも言える地域の方々と信頼関係を築いていくためにも、焦らずじっくりと構えて事業を進めていく必要があると思っています」

別府 杉乃井ホテルがもたらしたチャンス

杉乃井地熱発電所

オリックスが手がける地熱発電所は、八丈島だけではない。現在進行しているプロジェクトの進捗状況や課題について伺った。
「北海道函館市の案件が最も進行しています。現在、三本目の井戸を掘削しているところで、その結果によってこれから地上に発電所を建設する段階に進む予定です。これまでに掘削した二本の井戸では、期待以上の結果が出ており、十分な発電容量を確保できると見込んでいます。これまでいい結果が出ているので、三本目の井戸の掘削にも期待しています。他には東北地方で進めている案件がいくつかあります。地表調査は完了していますが、現地の電力系統が逼迫しているという状況もあって、掘削のタイミングを慎重に図っているところです。地熱発電のための井戸は、その上に数十億円もの設備を建設する必要があります。発電所の設置・運営に耐えうる頑丈な井戸を、地下1,500〜2,000メートルの深さまで掘削するので、井戸1本あたり数億円の投資が必要です。地熱発電所は、事業化までのリスクを精査しながら、着実に進めていかなければならない事業なのです」

北海道函館市南茅部における掘削現場

このように多面的な検討が必要となる地熱発電事業へ参入するにあたり、重要な役割を果たしたのが、グループで運営する「別府 杉乃井ホテル」の地熱発電所だ。

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