なぜ、日本企業はCXの取り組みで出遅れてしまったのか? CXフォーラム2017
課題解決講演III
デジタル化する顧客接点が企業と消費者のコミュニケーションを変える!
次世代カスタマーエンゲージメントセンターの姿とは
富士通コミュニケーションサービスの横田喜子氏は、消費者と企業のコミュニケーションについて、消費者からのアナログ・デジタル両方のシームレスな対応を求めるニーズを指摘。消費者の体験は企業収益に直結しており、チャットボットはAIだけでなく、有人とのハイブリッドにするなど、満足度維持の工夫を求めた。人見正人氏は、顧客体験の頭と心の満足をバランスさせるため、常時接続環境の生活者を意識したカスタマージャーニーを描くこと、データアナリストら分析人材の育成に投資すること、顧客接点を手続き処理からセールスまで進化させるロードマップを持つことを提案した。
特別講演III
会社の中で最も「お客さまのこと」を知っている部として、全社CX向上取り組みを下支えるコールセンター部署の奮闘記
損保ジャパン日本興亜の坂上宗久氏は、コールセンター現場で感じる違和感がCX向上策につながる可能性を示した。同社のコールセンターは年間180万件もの入電がある。その入電を、生活に変化があった際に保険をどうすればいいのかを問い合わせるものと、会社が提供する発送物などが原因の問い合わせとに分別し、顧客のシーン別お困りを可視化。そして、課題を問い合わせる前の行動分析を進め対応策を講じる事で、入電数もコストも削減しかつCXを向上させる施策を開発している。事例としては、自転車事故を心配するお客さまのお困りをどのように解決したかといった改善策を紹介。「顧客になりきって、悩みを受け止め、仮説を立てられる現場人材がカギ」と語った。
最後に、ラーニングイットの畑中社長は「さまざまな取り組みを大変そうに感じたかもしれないが、CXのビジョンに向かって継続して進み、来年は、そのストーリーを聞かせていただきたい」と締めくくった。