なぜ、日本企業はCXの取り組みで出遅れてしまったのか? CXフォーラム2017

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企業中心の視点で提供されてきた日本の商品・サービスのあり方を見直し、競争力を左右する「顧客価値」のためのCX(カスタマー・エクスペリエンス)について考える「CXフォーラム2017」が10月、東京・港区であった。昨年に続き2回目の開催。多くの企業の経営者や経営企画担当者らが参加し、CXの本質に関する話に耳を傾けた。
主催: 東洋経済新報社/ラーニングイット
協賛: セールスフォース・ドットコム/ベリントシステムズジャパン
    富士通コミュニケーションサービス
後援: 日本マーケティング協会/日本ダイレクトマーケティング学会
          アイ・エム・プレス

オープニングスピーチ

畑中 伸介氏/ラーニングイット 代表取締役社長

ラーニングイットの畑中伸介社長は成功するビジネスの条件としてカスタマーサービスの重要性を指摘。戦略の方向性は、テクノロジーをいかに売り込むかではなく、顧客にどんなすばらしい体験をもたらすか、にあるべきと指摘。CXはロイヤルティを左右するMOT(決定的瞬間)になると訴えた。

基調講演
顧客起点のカスタマー・エクスペリエンス戦略
―失敗の本質と成功への道筋

小川 孔輔氏/法政大学経営大学院 イノベーション・マネジメント 研究科教授

法政大学の小川孔輔氏は、日本企業のCXへの取り組みが遅れた理由について、顧客起点で考えることに慣れていないマネジメントスタイルや、リーダーシップの欠如などを指摘。心地よい顧客体験の条件として、顧客と接客従業員間の良好な相互作用、設備環境の設計、サービス提供プロセスの分析・管理を挙げた。その成功例として、JCSI(日本版顧客満足度調査)で高い顧客満足を維持する事例を取り上げ、密接なフィードバックによる当事者意識醸成や、価格設定の工夫などを列挙。値上げや従業員のモチベーション低下などで、JCSIスコアを下げているほかの企業との違いを説明した。

課題解決講演I
AIでカスタマー・エクスペリエンスを進化させる
〜Salesforceのカスタマー・サクセスプラットフォーム+AIでビジネスの成功を!

御代 茂樹氏/セールスフォース・ドットコム マーケティング本部プロダクト マーケティングシニアディレクター

セールスフォースの御代茂樹氏は、パーソナライズされた顧客サービスへの期待が高まっていると指摘。CMで話題のフィットネスクラブの事例を元に、CXの変化に適応するため、社内のすべてのタッチポイントと顧客情報をつなぎ、顧客を知るシステムの必要性を訴えた。そのほか、データサイエンティストが一からモデルを構築しなくても使える、顧客サービス自動化のためのAIや、アマゾンコンタクトセンターのテクノロジーと同社CRM(顧客関係管理)プラットフォームを組み合わせ、即座にサービスインできるクラウドサービスを紹介した。

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