「普及させなければ意味がない」の矜持 ダイハツが良品廉価で広める安全安心の技術

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安全安心は「限られた特別なもの」では意味がない

ダイハツでは2017年5月、新型〈ミラ イース〉を発売した。100万円を切るエントリーカーでありながら、最新の「スマートアシストⅢ」が搭載されているミラ イースは、ダイハツの車づくりへの理念と安全安心への思いを具現化したモデルだと言える。

その理由を、松居氏はこう語る。「高級車に先進安全技術が搭載されているのは当然のこと。しかし、日本では軽自動車が広く日常的に使われています。予防安全機能は、通勤や通学、買い物、お子様の送迎などで使われる軽自動車だからこそ、必要なもの。『限られた人が買えるもの』ではなく、みんなのものとして普及させていくことが、われわれダイハツの使命だと考えています」と松居氏は熱く語る。

日本では、軽自動車の保有台数が1977年から増加し続けており、2016年(平成28年)には3055万1361台となっている。これは、100世帯当たりで54.34台の軽自動車が保有されている計算になる※2 。一方、東京や神奈川、大阪、埼玉など、首都圏では軽自動車の保有台数が少ない。つまり、軽自動車は公共交通機関の選択肢が少ない地域において、なくてはならない日常の足となっているのだ。

軽自動車ユーザーは女性が6割を占めるが、普通・小型車から軽に移行する男性も増加傾向にある※3 。「スマアシ」体感会は、こうした軽自動車に乗ったことがない層へ、新たな選択肢を提供する機会にもなっている。

ほぼ毎週、全国のショッピングモールで「スマアシ体感会」は行われている(詳しくはダイハツHP

「高級車しか乗ってこなかったという年配男性がスマアシを体感なさって、『これはすごい! 買うよ!』と即、購入を決めたケースもありました。経験上、試乗や体感会の参加と受注には相関があると言えますね。ですが、当社では『スマアシ』体感会は普及活動であり、広報活動と捉えています。予防安全機能の普及には、〈誰にでも手の届く価格であること〉に加え、〈機能を正しく理解していただくための分かりやすさ〉も重要です。その意味でも、体感会は『スマアシ』をわかりやすく伝える大切な機会なのです」

参加者の中にはすでに「スマアシ」搭載車を所有しているダイハツ車ユーザーもいるという。安全に運転をしていれば、緊急ブレーキや誤発進抑制機能が働く機会はない。そのため、体感会に参加することで、改めて「スマアシ」の実力を実感するケースもあるそうだ。なるほど、確かにそうだ。

 

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