ミサイル迎撃の陸上イージス配備は2023年度 5年以上も先で、最新レーダー搭載は不透明

拡大
縮小

複数の関係者によると、米国のミサイル防衛局は自国の配備前に同レーダーの輸出許可を確約することはできないとの立場だいう。関係者の1人は「日本がスパイ6を取得できる保証はない」と話す。

現行の「スパイ1」レーダーを搭載する選択肢もあるが、複数の関係者によると、日米が共同開発し、射影距離や速度が向上した最新の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を追尾しきれず、イージス・アショアの能力を最大限に生かせないという。

新造のイージス艦は現行レーダー

イージス・アショアは1基700億~800億円、SM3ブロック2Aは現行の「ブロック1A」の2倍に当たる1発約30億円とされる。関係者によると、日本はイージス・アショア2基で北海道から九州までを、イージス艦で南西諸島を防衛する計画だという。

日本は現在、弾道ミサイル防衛能力を持ったイージス艦4隻を保有している。さらに2隻を改修して能力を持たせ、2隻を新たに建造し、2021年度には合計8隻体制になる予定。複数の関係者によると、新たな2隻はスパイ1レーダーを積む見通しだ。

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT