付加価値を生み出せない企業に未来はない 生産性向上を実現するBPOサービスとは

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前ページの話は架空のものだが、決して現実離れした設定ではなく、シキホウ社のように経営課題を多く抱える日本の中堅・中小企業は多い。

たとえば、建設や運輸、小売業などではすでに労働力不足が恒常化しつつある。業種によっては派遣や契約社員を正社員化することによる囲い込みが激化し、人件費は上昇し始めた。外食チェーンや小売りでは、採算の合わなくなった24時間営業を見直し始めている。

労働力不足を営業時間の短縮で乗り切ることができるB to Cの業界はまだいいのかもしれない。B to Bの業界では顧客から24時間の稼働を強いられることも多いため、工数の削減による労働力不足の解消に頭を悩ませるケースは多い。業務を外部に委託しようにも、従来のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は今ではメリットが薄れつつある。発注先となる新興国の経済状態が上向くにつれて、現地の労働コストが急上昇していることが要因だ。

まさに八方ふさがりの状況と言える。

定常的な業務はロボットが代行

こうした状況の打開策として今注目されているのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用したBPOサービスだ。

まずRPAを説明すると、ロボティックとは、物理的な存在のあるロボットを指すのではなく、ソフトウエアのこと。従来人手に頼っていた定常的な業務をソフトウエアに代行させることで自動化するものだ。これにより、コスト削減を図ると同時に、人間はより付加価値の高いコア業務に専念できるようになる。BPOで外注はするものの、その仕事をするのがロボットということだ。

前出のシキホウ社が、コニカミノルタのシステムとサービスで構成される「Robotics BPO for Smart Work」を導入すればどうなるか。シキホウ社の場合、従業員の作業はFAXで送信されてきた注文書をスキャンするだけ。あとはソフトウエアが作業を代替してくれる。

ソフトウエアは、スキャンされた注文書を一度クラウドに上げ、ここでAIによる精度の高い文字認識能力を用いてデータ化。その後、会社の基幹システムへの入出力まで行う。注文書だけでなく、売上伝票や経費精算伝票など紙媒体の帳票類は基本的にこのBPOサービスで処理できるようになっている。

Robotics BPO for Smart Workのサービスイメージ

このBPOサービス導入により、シキホウ社の業務は劇的に変わるだろう。入力ミスなどのヒューマンエラーを解消できただけでなく、これまでデータ入力に充てていた従業員を別の業務に回すことができるのだ。業務の大幅な効率化も見込まれる。実際にコニカミノルタでは本サービスを社内で繰り返し検証しており、経理における請求支払業務では84%の業務時間削減が可能との試算も出ている。

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