付加価値を生み出せない企業に未来はない 生産性向上を実現するBPOサービスとは

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日本の人口減少に歯止めがかからない。人口減少は労働力不足となってビジネスの現場を直撃し、すでに多くのビジネスパーソンを悩ませている。国土交通省の試算によれば、2050年を過ぎる頃には1億人を割り込む可能性もあるという。政府も「働き方改革」や「生産性向上」を旗印にさまざまな政策に着手するなど、人口が減りゆく中でどうやって成長を維持するかが今後の課題になっている。

この課題は中堅・中小企業により重くのしかかっている。「人が足りない」「人が採れない」「外注費が高くなっている」という三重苦で、仕事が回らなくなるのも時間の問題という企業もあるほどだ。この課題を解決するヒントは、やはりITにある。

月間4万4000枚の注文書を人力で処理

「ふぅ、またいい応募がなかったか……」

消費財の卸販売をしているシキホウ社の東洋タロウ社長は嘆いていた。データ入力を担当していたパート従業員が退職したので求人誌に募集を出したものの、思うように応募が来ないのだ。

シキホウ社は従業員約400人の中堅企業。取引の99%はEDI(電子取引)化されているが、残りの1%の注文書はいまだにFAXベースで注文が来る。

1%といってもシキホウ社に来るFAXは1カ月間で約4万4000枚に及ぶ。それらをEDI化するため、シキホウ社では7名の従業員をデータ入力専任に充てているが、それでも中元や歳暮などの繁忙期には業務量に追いつかず、残業を余儀なくされるのが実情だ。そして彼ら、彼女らは、専任といってもパートや派遣社員。退職したり、契約更改で交代したりすることもままある。

東洋社長の危機感は切実なものだった。というのも、人員の補充が年々難しくなっていたからだ。給与を上げて募集することで何とか人員を確保しているものの、社長から見れば「成果は変わらないのに人件費だけが増えている」状態だ。

「このままでは首が回らなくなる……」

さらに言えば、新しい人員が入るたびにシキホウ社ではマニュアルを持ち出してトレーニングを行う。だがいくらトレーニングを積んだところで、手入力である限り、ミスの発生は防ぎきれない。ミスは月に数回発生し、そのたびに時間が奪われている。無駄な仕入れを行ってしまうことで、コスト増の要因にもなっていた――。

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