グループ内外との連携で農業に新しい価値を

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

グループ会社の多様なノウハウを農業ICTに結集

NTTグループには、通信事業以外にさまざまな技術、ノウハウを持つ会社がある。その中から、注目の農業ICTの取り組みを行う会社を3社紹介する。

緻密な気象予報で農業への活用を模索
(ハレックス)

ハレックス 取締役
第二事業部長 兼 第一事業部
営業部長
足海義雄

NTTグループの民間気象情報会社ハレックスは、全国の最新気象データを素早く解析して気象予報に活用するシステムを持ち、最短30分間隔で予報を更新することができる。農業分野には同業他社に先駆けて約3年前から取り組みを開始。1平方キロメートル単位で1時間ごとのピンポイント予報を72時間先まで提供できる。このサービスはJAを通じて農家に利用され、特に山沿い地域の予報などで重宝されている。「農家は雨の予報なら、翌日の農薬散布を中止するといった作業日程立案などに活用しています。さらに、積算温度による開花時期の予測などの気象情報活用とともに、過去データの活用の可能性も検討し、実用化していきます」と取締役の足海義雄氏は話す。

高精細な電子地図で農地の可視化を推進
(NTT空間情報)

NTT空間情報
営業部 第2営業グループ
地主和仁

NTTグループの通信インフラ設備を管理するための地図を制作してきたNTT空間情報。「GEOSPACE」と名付けられたその高精細な電子地図は、中山間部も含めて全国を網羅。さらに、圃場を確認できる航空写真や衛星画像も高い割合で全国をカバーしており、農地や収穫のデータのほか、その分析結果などを可視化するデータ管理に利用されている。航空写真から起こした電子地図は、背景図を写真から地図に替えた際に、位置情報がずれにくい点でもメリットが大きい。営業部の地主和仁氏は「昨今、山間部の斜面に位置する農地において、その集約や気象情報の活用などを進めるために、航空写真から起こした高精度な高さ情報を持つ三次元地図のニーズが増えており、その整備を進めている」と語る。グループ会社の気象情報や地表解析技術を生かした地図データで農業ICTを支えている。

航空・衛星画像解析で農地の状況を把握
(NTTデータCCS)

NTTデータCCS
ビジネスソリューション事業本部
科学環境システム事業部
システム開発部 課長
竹本宏

元は石油・非鉄金属系企業の情報システム会社であり、石油埋蔵探索などに使う地表や海底の画像解析技術を持つNTTデータCCSは、AIを組み合わせて農業分野への応用サービスを開発。航空写真から水稲の高さや繁茂の状況といった生育データを抽出し、農家が施肥などのタイミングを判断するのを支援する。

また、航空写真を一見しただけではわからない、それぞれの農地の複雑な輪郭を正確に識別でき、土地改良事業の圃場管理などにも貢献している。科学環境システム事業部システム開発部課長の竹本宏氏は「将来は、消費の需要予測を踏まえて、最適な作付けをするための農地管理を総合的に支える画像解析サービスの実現を目指したい」と展望を語る。