フジ日枝会長「最後の総会」、株主の批判は? 驚きの質問、まさかの動議も飛び出した!

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昨年と同様、視聴率が盛り返せない要素の一つであるドラマについても、いくつかの質問が寄せられた。

「フジが主催する『ヤングシナリオ大賞』を作品化したドラマがひどい。テーマ性や社会性、哲学性がまったくない。審査委員も公表してほしい」との質問に対しては、亀山社長が回答した。

「耳が痛く、聞いておりました。ドラマは何よりも話題作り。ドラマ一本のヒットで局の雰囲気が変わるもの。ヒットがないのは、今、作り手たちが迷っているのか、先進性を議論しているのか。シナリオ大賞の審査委員は実際にドラマを作っているプロデューサ―やディレクターが行っている。公表も考える。ドラマは起爆剤になるものです」と答えた。数々の名作を手掛け、ドラマにこだわりを持つ亀山社長らしい回答だった。

「原作もののドラマが多く、手を抜いているのではないか」という質問に対しては「視聴率トップから陥落して6年、さまざまな改善策を講じているが、まだ満足できる水準ではない。オリジナルドラマもあるし、7月には自信のあるドラマを用意している。この先必ず花開くと信じている。少しでも歯止めをかけ、改善していくように努力していく」(金光修専務)。

「ガリガリくん 火星ヤシ味」はなぜ放送されたか

誤報に関する質問もあった。具体的には「米大リーグの田中将大選手がトランプタワーに入居」「宮崎駿氏の架空の引退宣言」「ガリガリ君 火星ヤシ味」といった不正確な情報がなぜ放送されたのか、というものだ。

今回も会場は本社の隣のグランドニッコー東京 台場だった(記者撮影)

稲木甲二取締役は「いくつかのネットの情報をそのまま放送してしまい、視聴者に間違った情報を伝えたことは申し訳ない。制作に対してはダブル、トリプルチェックで内容を確かめることをやっている。それがいくつかの段階で漏れてしまった。より厳しいチェック体制でやっていきたい」と回答。その後も情報番組の内容などについて聞かれ「チェックしている」と答えていたが、苦しい答弁だった。

総会中に株主から出された動議は以下のようなものだ。「日枝会長を監査役とし、タチバナタカシ氏(明確な説明はなし)を選任すること。遠藤龍之介取締役をバイキングのMC(総合司会)である坂上忍氏に代えること。産経新聞取締役でもある清原武彦取締役を監査役とし、代わりに(お笑い芸人の)松本人志氏にすること」。

そのほか、「年間配当金を原案の倍の80円にすること」「取締役候補17名全員を削除し、再度株主総会を開催すること」「休憩を求める。今はバイキング(昼の情報番組)が放送中。総会を中継し、坂上忍さんを連れてくればすごい視聴率が取れる。東芝やタカタ以上の注目度だ」「日枝議長に対する不信任」などが挙げられた。これらはすべて否決されている。

日枝会長は例年、議長として議事進行に専念してきた。今回は議長として最後の総会だったが、答弁はすべて担当取締役がこなし、会長が個別の質問に答えることはなかった。

そのほか、真剣な質問から驚くような意見まで株主から多くの発言があった。主な発言は次ページの通り。

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