特別インタビュー/沖縄県副知事 富川盛武氏 〜日本再生の「ジャンプ台」を担う〜
観光もビジネスチャンスも優位な要素を具備
沖縄では今、「アジア経済戦略構想」が推進されている。国内市場に依存しているだけでは縮小を余儀なくされる日本経済は、成長著しいアジアをはじめ海外に市場を求めて展開しなければならないことから、沖縄もいずれ到来する人口減少に対応して発展するため、戦略を示そうというのだ。
「特にアウトバウンドの拠点を作るための戦略を議論するなかで、いくつかのポイントが見えてきました。たとえば、生鮮食料品を中国などのビッグマーケットに展開しようと思ったとき、一番大きなメリットはメイドインジャパンの信頼なのです。そこで沖縄を空輸の拠点にすれば、アジア各地に最も早く届けられますから鮮度が保たれ、しかもメイドインジャパンが付されるのです」。それらを視野に、沖縄県は中国の福建省と覚書(MOU)を結ぶなどしているが、中国に定期的に入れれば、陸続きの中央アジアを含む新たなマーケットも見えてくる。
このように、経済的なポテンシャルやソフトパワーという優位な要素を備える沖縄は、もはや日本の端にある島ではなく、アジアの中心としての存在感を増そうとしているのである。そして、沖縄は日本が再生するための多様な実証トライアルができる、フロンティアとしての役割も果たせるのではないかというのだ。
富川氏は言う。「沖縄の位置づけは、日本にとってアジアを含めて世界展開するときの『ジャンプ台』ととらえていただきたいと考えています。那覇空港に第2滑走路ができるなど空路も開けてきますから、観光面だけでなくMICEも盛んになりますし、ビジネスチャンスも増えてきます。ぜひ、2度3度と沖縄を訪れてその多彩な魅力をつぶさにご覧いただきたいと思います。われわれは『ALWAYS WELCOME』です」。
心身を癒やされたいと思う人にも、ずっと住みたいと思う人にも、ビジネスをしたいと思う人にも、WELCOMEの沖縄。その本当の魅力は、やはりそこに飛び込んでみなければ分からないのである。