特別インタビュー/沖縄県副知事 富川盛武氏 〜日本再生の「ジャンプ台」を担う〜

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今年3月、沖縄国際大学の元学長で県の政策参与などを歴任した富川盛武氏が副知事に就任した。経済分野を中心に豊富な知識と経験を持つ富川氏は、沖縄振興に向け大きな期待を担っている。そんな富川氏に、地元沖縄が国内外の人々を引き付けてやまない魅力について聞いた。

日本全体のために必要な沖縄の潜在可能性

沖縄県 副知事 富川 盛武 とみかわ・もりたけ/1948年沖縄県生まれ。琉球大学法文学部経済学科卒業。明治大学大学院修士課程政治経済学研究科経済学専攻修了。経済学博士。沖縄国際大学商経学部教授、ハワイ大学客員研究員等を経て沖縄国際大学学長を務める。2017年3月、副知事に就任、経済政策等を担う。

1972年の本土復帰直後、沖縄を訪れる国内外からの観光客は年間40~50万人程度だったが、今や870万人を超え、しかも増加傾向が続いている。「沖縄が人々を引き付ける力は何かと考えたとき、それは沖縄の歴史や風土、文化などの『ソフトパワー』が、人々に求められるようになってきているのではないかと思いました」と、富川氏は指摘する。

日々、競争社会を生き抜いている現代人にとって、どうしても必要なのが心身のリフレッシュである。そうした視点で見たとき、沖縄にはそのニーズに応える魅力があり、しかも、そのニーズは国が発展すればするほど求められるようになり、沖縄にそれに応える素地があると富川氏は言う。

「海に囲まれた沖縄には、ハピネスやウェルネスはいつも水平線の彼方から来ました。ですから、来るものを拒まない、いつでも歓迎する『ALWAYS WELCOME』の文化がコアにあるのです。それは、なにより人間を肯定する文化であり、極端に言えば、どんなにのんびりした人でも生きていける社会というのが沖縄の魅力でもあると思うのです」。

そんな独自の文化を育んできた沖縄は、人口が143万人を超えて今も増加し、日銀の短観でも全国を凌駕している。また県民総生産も増加傾向にあって、一人当たりの県民所得にも好転の兆しが見えている。「今や、地銀も沖縄に入ってきて支所を構えてアジア展開の足場を固めたり、独自の技術を持った企業が、台湾や中国に目を向けながらコールドチェーンなどを展開しようとしたりしています」。

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