サムスン

Galaxy、V字回復への勝算 最新機種は歴代最高のスタートダッシュに成功

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製品デザイン1グループ
キム・ユンジン

デザインチームも、このディスプレーに合わせ、「ディスプレー機器という”スマホの本質”に近づけるよう努力した」(製品デザイン1グループのキム・ユンジン氏)。通常のスマホは、ディスプレー側に近接センサーやスピーカーなどが配置され、それが目立っているが、S8、S8+では「視覚の邪魔にならないよう、額縁を黒にし、インカメラのレンズも反射防止のコーティングをして、最大限それが隠れるよう配慮した」(キム氏)。前から見ると、ディスプレー以外が目に入らないのは、そのためだ。さらに、これまでGalaxyシリーズの特徴であった、画面下のホームボタンまでもなくしている。「当社でもいちばん悩んだポイントだった」(チェ氏)が、未来的なデザインを貫いた。

機能面では、「自分撮り」をするためのインカメラも強化。「画素数を800万、開放F値を1.7まで上げ、オートフォーカスも搭載しています。顔認識で素早く、キレイな写真を撮ることができる」(キム氏)。さらに、スマートフォンの新しいインターフェース「Bixby」も搭載する。現在、音声コマンドで操作できる言語は韓国語のみだが、利用者の行動や時間などの情報に基づき、さまざまな情報をオススメする機能は、日本語でも利用できる。

スマホのグローバル市場で圧倒的な存在感を放つサムスン電子。他社製品にはない最先端の機能をいち早く盛り込み、「革新的でチャレンジャーという評価をいただいてきた」(キム氏)。黒が締まってクッキリと写り、色も鮮やかなディスプレーや、処理能力の高いCPUに加え、利用者のかゆいところに手が届く機能も人気を博している理由だ。S8、S8+では、スマホの基幹部品であるディスプレーにも手を入れ、その評価をさらに高めることになりそうだ。すでに海外で発売開始から数週間で好調な売れ行きを示しているのも、それを証明する。

日本独自モデルGalaxy Feel

国や地域の文化に合わせて、細かなカスタマイズを施す方針も、シェアを高めることに貢献している。日本では、ドコモの夏モデルとして、S8、S8+に加えて、日本独自モデル「Galaxy Feel」を発売する。

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