「正しい」データ復旧サービスとは何か 脱メーカー宣言の"主役"登場で変わる業界
「正しい」復旧サービスとはどういうものか
しかし、ネット検索をしてみるとわかるが、データ復旧サービスを謳う会社は玉石混交であり、悪いイメージを持っている人も少なくない。
もちろん、実直なビジネスをしている会社も多数あるが、大事なデータを失ったという客の足もとを見ながら、高額料金の請求や契約を急かす業者が存在するのもまた事実だ。そのような会社に、復旧可能な技術力があるのか?個人のプライバシーが守れるのか?という不安もある。
そんな中、バッファローのような大手メーカーが参入するメリットは大きい。これをきっかけに、業界が健全化されていくかもしれないからだ。
実際、バッファローのデータ復旧サービスは価格優位性がある。論理障害と、物理障害の2つを区別し、そこからさらに軽度・中度・重度と障害レベルを3段階に分けたわかりやすい料金表を掲げている。その半数以上は固定料金であり、市場価格から見ると約4~5割安い価格設定といえる。
バッファロー データ復旧サービスの特長
- 製品保証期間内の軽度論理障害は無償対応
- 有料の場合も固定料金で安心
- 見積もり・診断は無料
- 東名阪の3拠点で、サービスパーソンが迅速対応
- 個人、法人あらゆるお客さまの復旧に対応
- 5/1以降に販売された製品だけでなく、これまでのバッファロー製品すべてが対象!
「ビジネスというよりも、あくまでサポートの一環として復旧サービスを行っています。そのため、価格に関しても、まずは作業を平準化し、そこから人が動いた時間を基本として算出しています。つまり、"機械が稼働している時間をカウントしていない"ために安く抑えられているのです。また、製品にシールを貼るなどで広告宣伝費を最小限に抑えているのも理由のひとつです」(和田氏)
サービス開始の5月から約1か月強(取材時)しか経っていない段階で、すでに復旧依頼の申込件数は400件を超えており、そのうち8割を超える数を受付し復旧にあたっている。同社は「復旧市場シェアの50%をターゲット」(斉木専務)としており、この反響を思えば事業のポテンシャルの高さがわかる。
復旧サービス揺籃期から活躍する「老舗とのタッグ」
では、外付けハードディスクの「メーカー」であるバッファローが、なぜデータ復旧サービスに参入できたのか?そこには、創業22年の実績を誇る〈アドバンスデザイン社〉をバッファローの母体であるメルコグループに迎え入れたことにある。
アドバンスデザイン社は、日本におけるデータ復旧サービスの草分け的存在であり、大手企業や政府関係者が求めるような、高度なデータ復旧を数多く手がけてきた老舗だ。今回のサービスにおいても、重度の論理障害や物理障害に関しては、アドバンスデザイン社へと持ち込まれて復旧作業が行われる。
アドバンスデザイン社の本田 正会長は、「このサービスを続けていくことで、お客様の熱い信頼や指示を得ることができると信じている。私たちは熟練の口うるさい医者のように、バッファローのデータ復旧事業を見守ると同時に手助けをしていきたい。また、これまでと同様、弊社は技術的に難しいクラウド基盤のデータセンター復旧などにも果敢にチャレンジしていきたい」と語った。