パーソル

グループ総力で日本の働き方改革に挑む
パーソルグループ

拡大
縮小

たとえば、人材紹介のインテリジェンス(今年7月にパーソルキャリアに社名変更の予定)は都市部を中心に展開しているため、地方の企業のニーズを十分にカバーできていなかった。一方、人材派遣のテンプスタッフ(同パーソルテンプスタッフ)は、全国各地に拠点があり、地方のニーズを把握できる。両社が別々に動いていては、地方の企業への人材紹介は難しいが、連携すれば、これまでできなかったサービスを提供することが可能になる。

「経営の理屈だけで組織を変えることは困難です。しかし、顧客と真摯に向き合っている現場は、グループとして総合的に人材サービスを提供するという、われわれが進むべき道を肌感覚で理解してくれていました」と水田CEOは手応えを口にする。16年6月の新ブランド発表当初は18年春の予定としていた持株会社を含む主要な事業会社の社名変更が、17年7月に1年前倒しできるのは「もっと早く」というグループ各社の後押しがあったからだ。埼玉・大宮や名古屋では、複数のグループ企業が共同して統合オフィスを開設、総合的なサービス展開も始まっている。今後は、情報共有のためのデータ基盤の整備をはじめ、グループ各社がもつあらゆる資産を活用できる体制整備を急ぎ、仕事と働き手のミスマッチを極小化することによって、社会的課題解決に貢献。働き手と企業の双方の成長に貢献するグループビジョン『人と組織の成長創造インフラへ』の実現を目指す。

長時間労働・通勤を是正して多様な働き方を提案

二つ目の対策、就業率向上は、長時間労働をいとわない男性社員中心の画一的な働き方で成り立ってきた日本企業が、多様性をいかに高めるか、にかかっている。これまでは、働く意思はあっても働けなかった、子育て中の女性、そしてシニアといった、人々のライフステージに応じた多様な働き方を実現して、働き手を増やす必要があるのだ。

「当社も、子育て中の女性社員の退職防止が一つの課題でした」と水田CEOは振り返る。そこで設置したのが、「部員全員が残業しない」というルールを明確にしたダイバーシティ第2事業部だった。

東京・板橋、世田谷区経堂と自由が丘、千葉県浦安市など都心部の外に営業拠点を置いて、通勤時間を短縮。コールセンターなどの社内リソース活用や15分単位の会議設定など、時間を効率的に使う仕組みを整えながら、着実に業績を向上させている。

管理系の仕事の在宅勤務も推進する水田CEOは「長時間労働だけでなく、長時間通勤の問題を解決することも、多様性の確保、生産性向上には必要です」と職住近接の効果に期待を寄せる。

次ページ職住近接の新たな働き方を実現
お問い合わせ
パーソルグループ
パーソルグループ
HPはこちら