「武史さんは、なんで結婚したいの?」
「役所って結婚が早いんですよね。30前にはみんな結婚しちゃう。1人でいると“変わり者”みたいに思われるんで。実際、40代、50代で結婚していない人たちのことを女の人たちが、“あれじゃあ、結婚できないよね”って陰で言ってるのを聞くと、そういう仲間には入りたくないなって」
学生時代の友達も、ほとんど所帯を持っているという。
「最近会うと奥さんや子どもの話をするヤツが多くて、家族ぐるみで付き合っている仲間もいるみたいだし。このまま1人でいるのは寂しいなって思うようになったんです」
結婚相手を見つけるなら合コンや友達の紹介で出会うよりも、結婚相談所のほうが効率的だと考えた。結婚したい人が入るのが結婚相談所だし、お見合いは結婚を前提にした出会いだから。
「肉食女子」が増えても、結婚を決断するのは男だ
しかし、“結婚相談所に入れば誰でも結婚できる”わけではない。お見合いは出会いのきっかけにすぎない。そこから交際に進展させ、結婚に結びつけていくのは本人の行動次第なのだ。
どの仲人も、男性会員には口を酸っぱくしてこうアドバイスしている。「とにかく男性からマメに連絡を入れてね」「どんどんデートに誘いましょう」。ところがお見合いから交際に入っても、積極的に動かない男性があまりにも多い。
自分からデートに誘ったり、告白をしたりしない男性が増え“草食男子”という言葉が生まれた。対して、恋愛に積極的な“肉食女子”が増えているといわれている。
肉食女子が恋愛の手練手管を駆使してお目当ての男性をゲットしていくのは、頼もしいしすばらしいことだと思う、しかしこれが有効なのは、恋愛シーンでのことだ。ゲットした男性に「結婚してください」と言わせることができるのかというと、それはとても難しい。
そんなことはない、と反論する人がいるかもしれないが、私は、“女から仕掛けてエッチをすることは簡単。でも結婚することは至難の技”だと思っている。なぜなら、結婚には“責任”が伴うからだ。“婚姻届”という1枚の紙にサインをすることで、互いの親兄弟、親戚がひも付き、恋愛とは違う相関図がそこに生まれる。
男女平等の社会だとはいえ、結婚に伴う責任は男性のほうが女性よりもずっと重たい気がする。なぜなら男性には、“結婚、イコール、一家の大黒柱になる”という意識がどこかで働く。女性は、“結婚、イコール、家族をサポートする”という感覚だ。共働きをしていても、実際この感覚は変わらないのが現実。
とどのつまり、結婚は男性が積極的に動き、決断しなければ決まらないのだ。
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