フェイスブックが明かした「動画戦略」の中身 動画タブ、長尺動画、ミッドロール広告…

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2月17日のイベントでもっとも大きなテーマとなったのは動画だった。あるセッションではすべての話題が動画関連であり、動画広告やFacebookアプリでの動画の配置といった話がテーマだったという。また、Facebookがオリジナル動画に資金を提供する計画に関する話もあったと、複数の出席者は語っている(ほかのセッションでは、従来のパブリッシングやインスタント記事にまつわる問題、それにローカルニュースの問題がテーマとなったようだ)。

Facebookはこのイベントで、オリジナルコンテンツを制作する計画について説明した。「カレッジ・ヒューマー(CollegeHumor)」の共同創設者であるリッキー・バン・ヴェーン氏が中心となって、エンターテインメント分野とスポーツ分野のシリーズ番組を制作することを検討しているようだ。これには、台本のある番組もない番組も含まれるという。また、制作した番組を、モバイルアプリの動画タブと、将来リリース予定のコネクテッドTVアプリで配信する考えのようだ。

2016年にはライブ動画が最優先の取り組みと位置づけられていたように、2017年にはロングフォーム動画がFacebookのメインプロジェクトとなっている。目的は、Facebookプラットフォーム上でユーザーが過ごす時間を長くすることだ。そのため、Facebookの幹部は、ショートフォームの動画をいままでどおりニュースフィード上で配信しながら、ロングフォーム動画を動画タブやTVアプリで視聴してもらえるようにするという構想を描いている。このロングフォーム動画は、Facebookの資金提供によって制作されたオリジナル動画と、メディア企業が自社で制作した長編デジタル動画の両方が対象だ。

「彼らは、このタブ(動画タブ)でのユーザーの行動を変えたがっている」とある出席者は語った。「彼らが期待しているのは、このタブを表示したユーザーに、ニュースフィードと同じコンテンツを見てもらうことではない。彼らは(動画タブを)、YouTubeと競争できる存在にしたがっている。ここに5分~15分の動画をアップできるようにして、ユーザーにじっくり見てもらいたいと考えているのだ」。

現実味を帯びる広告挿入

Facebookは2月23日、ライブ動画にミッドロール広告を挿入できる対象を拡大する計画を明らかにした。ミッドロール広告はいまのところ、ケイシー・ネイスタット氏のようなソーシャルメディアのスターにしか認められていないが、情報筋によれば、6月末までにパブリッシャーに開放されるという。当初は、自分の携帯電話を使ってライブ動画を配信するページ所有者しか、マネタイズツールを利用できない。しかし、ゆくゆくは「Facebook Live API」を使って、ライブ動画を制作するパブリッシャーにもツールを開放すると見られる。

Facebookの発表によれば、広告を挿入できるのは、Facebook上でフォロワーが2000人以上いるパブリッシャーやソーシャルスター、および同時視聴者数が300以上のライブ動画に限定されるようだ。また、最初の広告を挿入できるのは動画開始4分後で、その後は、広告と広告の間を5分間空ける必要がある。広告の時間は最大20秒だ。

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