全国に広がるシステム建築が工場・倉庫建築のデファクトスタンダードへ 横河システム建築

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「当社ならではの製造・販売・施工の仕組みには自信を持っています」と大島社長は語る。

袖ケ浦市システム建築一貫生産専用となる千葉工場(国土交通省Hグレード認定工場
事業規模の拡大に伴い増設した第2事務所棟

製造のカギを握るのが、千葉県袖ヶ浦市にある同社のシステム建築専用となる千葉工場だ。7万8000平方メートルもの広大な敷地で、鋼材の調達から設計、加工、輸送までを一貫して行っている。高付加価値の独自部材もこの工場から生まれている。たとえば柱や梁に使用する同社の「ビルドH鋼」は、高張力鋼材を使用し自社で切断・溶接することで、力のかかる部分は太く、かからない部分は細くなっている。このため、規格品のH形鋼と比較し30~40%も軽量化でき、最大60メートルものスパンにも対応できるという。

応力勾配に沿った設計で規格品よりも30~40%の軽量化が可能。建物の軽量化は耐震化にもつながる

さらに、専用工場だけに、大量のフレームを短期間で加工できるのが特長だ。また、常時2~3カ月の材料をストックしており、材料手配の時間も短縮できる。在庫は時にリスクにもなるが、高いシェアを維持する同社にとっては、強みとして力を発揮する。専用の自社工場を持っているのは、業界では同社だけだ。同社が持つ特徴は商品の質にとどまらない。

「販売・施工では、当社独自の『ビルダー』と呼ぶ地域の建設会社のネットワークに強みがあります」(大島社長)

全国900社ものビルダーは、地域の顧客企業と長年にわたる信頼関係を築いており、ニーズも熟知している。また、ビルダーが共同運営するインターネットサイト「yessビルダーズネット」では、施工事例などを含むさまざまな情報提供を行っている。一方、横河システム建築はこれらのビルダーに向けてきめ細かなサービスを提供している。同社の「yess見積3D」を使えば短時間で積算や見積書の作成ができ、さらにフレーミング(骨組)プラン図の作成も可能だ。人材をはじめ経営リソースに限りがあるビルダーの提案力アップにつながっている。多くの業務を標準化することで、短納期を実現しているのも特長だ。

「契約後45日~60日で建物の建設を開始できます。1000平方メートルほどの倉庫で、在来工法では基本計画から上屋工事竣工まで約215日かかる場合、『yess建築』ならこれを165日に抑えることができます」(大島社長)

ライブ施設に体育館も ますます広がる用途

 

設備投資ニーズはインバウンド需要やeコマースの成長と相まって加速し、それらも「yess建築」は追い風としている。また、物流施設や倉庫だけでなく、ここ数年では新しい需要も掘り起こしているという。

「商業施設・店舗やライブシアター、スポーツ施設・体育館などでも『yess建築』が選ばれる例が増えています。たとえば、4000平方メートル級の大空間を生かした、3000人収容できるアリーナなどもあります。また、柱が軽量であるため、自重が小さく、地震に強いのも大きな特長です。そのため、公的な施設や学校体育館などでも採用されています」(大島社長)

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近年は、道路の陥没事故や工場火災など、社会インフラの老朽化による事故が発生し、改修・改築が急務になっている。その一方で、これらに対応する建設コストの上昇とともに、鉄筋工や型枠工などの専門工の不足に頭を抱えている現場も多い。

「『yess建築』であれば、積算・設計から現場施工、さらにはアフターサービスまでの業務プロセスを標準化しているため、熟練工を必要とする場面は多くありません。そのため、大幅な省力化が可能です。また、100社以上の現場施工会社(エレクター)網を構築していますので、施工面でもご安心いただけます」と大島社長は語る。さまざまな需要に対応できるからこそ、「yess建築」が伸びているのだ。

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