ジョーンズ ラング ラサール

海外の不動産投資家と日本の地方再生

JLL (ジョーンズ ラング ラサール)

地方の不動産オーナーと海外投資家をつなぐJLLの存在感

福島 海外の投資家に積極的に不動産投資をしてもらうためには不動産の価値を上げ、収益性を高めることが重要です。JLLは売買契約だけでなく、バリューアップやその後の管理にも積極的に取り組んでいますが、地方都市での具体的な事例を教えていただけますか。

TATSUYA JIBIKI
JLL 不動産運用サービス事業部
アセットサービスグループ
アソシエイトディレクター
地曳 達也

地曳 はい、地方でこそ、管理運営の良し悪しで、物件の価値に大きな差が出ると考えられます。当社では各都市のベストプラクティスとなる運営事例にも関わっています。札幌の中心部にある「ノルベサ」は、屋上にある観覧車が目印の、すすきののランドマーク的な複合商業施設です。非常に認知度が高い建物でありながら、テナントの構成が市況に合わず、一時期、空室率が高まっていました。当社では、いち早くインバウンドニーズを捉え、インバウンド専用飲食店など、海外観光客をターゲットにした、テナント誘致を推進しました。さらに、アニメ・ゲーム関連の流通店、コスプレショップなども誘致し、ポップカルチャーの発信地として位置付けました。弊社が進めたテナントミックスにより、施設の賑わいが蘇り、今では札幌を訪れる国内外のお客様の観光スポットになっています。大阪では、くいだおれ太郎のいるビルであり、インバウンド観光客で溢れかえる「中座くいだおれビル」(道頓堀)の、香港系の投資会社への売却をキャピタルマーケット・不動産運用サービス両事業部が共同で支援しました。プロジェクトではSPC(特別目的会社)の設立、資金調達、さらにはテナント誘致まで運営全般をお手伝いしています。テナントの選定ではアジアをはじめとする海外観光客のニーズを考慮したほか、既存テナントにもインバウンド需要取り込みへの対応についてもアドバイスしました。

(上)リニューアルで価値を増した大博多ビル
(下)人々が賑わう中座くいだおれビル

このほか、福岡のオフィスビル「大博多ビル」は、博多駅前・大博通りに面する好立地ながら築約40年が経過し、稼働率が低下していました。そこで当社はバリューアップのため、耐震補強(基準認定適合建築物 福岡市認定第1号 取得)を含む大規模改修の実施をサポートしました。また、テナント館内移転を含む貸室区画の統合などリーシングを工夫し、100%稼働を実現しました。

水野 物件を紹介するのは第一歩にすぎません。その投資家にとっては買った後、どういうプロパティマネジメント/アセットマネジメント戦略でどれくらいバリューアップできるかが分からないと購入の決断ができません。地曳がいる事業部はまだ購入が正式に決まっていない段階から入って、提案を行うのが大きな特長です。

福島 政府も地方創生を大きなテーマに掲げています。投資マネーが地方に入ってくることは地方の活性化にとって大きなチャンスですが、海外の投資家が単独で地方の不動産マーケットにアクセスするのは難しいでしょう。その点で、JLLの役割は大きいですね。

水野 そうですね、日本の地方の不動産情報を海外に発信するのは、当社の大事な役割だと感じています。当社自身がいろんな売り物の賃料データなどを集める努力をしていることに加え、地元のブローカー、地方の不動産オーナーなどの情報もキャッチアップしています。地域のパートナーとの信頼関係を構築しているほか、リサーチ部門の情報発信力も高める計画です。

秋山 情報提供にとどまらず、物件の売買から、リーシング、管理までワンストップでご支援できるのが当社の強みです。サービス体制をさらに拡充するために、昨年は関西支社の機能を強化しました。従来からあるテナントおよびオーナー向けの賃貸借取引サービスを提供しているマーケッツ事業部に、テナント賃貸仲介業務に特化する人員を増強しました。また、私が所属する売買仲介担当のキャピタルマーケット事業部の人員も増やしたほか、プロジェクト・開発マネジメント事業部も新たに配置しました。文字通りフルサービスで、お客様のニーズに対応できる体制が整いました。

福島 JLLのこれまでの経験とグローバルなネットワークを生かし、海外の投資家と地方の不動産オーナーとの橋渡し役としての期待が高まりそうです。それがまた日本の地方の活性化につながりますね。

水野 今後とも、セミナーを開催したり、お客様に直接提案したりしながら、当社の海外ネットワークに、どういう投資家が存在し、どういう不動産投資のニーズがあるかを伝えていきたいと思います。投資家とオーナーの双方の思いを結ぶことによって、地方に活力あるビジネスを創出していきたいですね。もちろん、国内の投資家のアウトバウンドのニーズへの対応や、リサーチ部門による地方都市を理解してもらうための情報発信なども強化していきたいと考えています。JLLにぜひご相談いただきたいと願っています。