明電舎

日本ならではの「インフラ輸出戦略」とは?

国の成長とともに発展!シンガポールの国づくりに見る

発送電の分離など、同国の電力事業は大きく変化しているが、明電舎は一貫して高い評価を受けてきた。その背景には、単に50年以上前から同国に納入実績があるだけでなく、同国独自の製品仕様や、制御、メンテナンスなどのニーズにきめ細かく応えてきたことがある。

1975年にMEIDEN SINGAPORE PTE. LTD.(明電シンガポール)が設立され、79年にシンガポールで変圧器の生産を開始しているが、それまでは明電舎の主力工場である沼津事業所で「シンガポール仕様」の製品を開発・製造していたという。

明電舎がこれまでシンガポールに納入した変圧器は1万4000台を超える。今や、住宅のみならず工業地域、空港・港湾、病院・教育施設など、同国において電気のあるところに明電舎の技術があるといっても言いすぎではない。さらにシンガポールは、落雷の多さでは世界有数の国とも言われるが、停電はほとんど起こらない。電力網が強固だからである。明電舎はその重要なインフラづくりの一端を担ってきたのである。

シンガポールのMRTの
安全、安定的な運行を支える

アジアの新興国では、成長著しい国も多い。国土の発展にともない多くの国が直面するのが交通渋滞の問題だ。

その点でシンガポールは早くから道路網や公共交通機関を計画的に整備してきた点で注目されている。その中核となっているのが、公共交通機関のMRT(Mass Rapid Transit System)だ。1987年に南北線が運行を開始し、現在は同線のほか、東西線、北東線、環状線、ダウンタウン線の5路線が運行、さらに新線であるトムソン線の建設も進んでいる。

通勤ラッシュ時には2分から3分間隔にもなるという同国MRTの、過密だが正確な安定運行を支えているのが明電舎だ。鉄道用の電気設備(直流・交流受変電システム、監視制御システム)や架線の検測装置など鉄道の安全・安定走行に貢献する製品を納めている。

鉄道用電気設備についても、明電舎は豊富な実績がある。日本国内では、1964年に開業した東海道新幹線から2016年に開業した北海道新幹線までのすべての新幹線、さらにJR在来線、公営鉄道、民間鉄道など、文字どおり日本中の鉄道の運行に同社の技術を提供している。

海外でも、1976年のインドネシア国鉄を皮切りに、中国、香港、台湾、フィリピン、タイ、インドネシア、ドバイなどで鉄道用電気設備を納入している。2016年に一部区間(※)が開通した、マレーシアの最新のMRTの電気設備を担っているのも同社である。※全線開通は2017年7月予定。

変電、配電、き電などのシステムに加え、監視制御、保守・メンテナンスまで幅広い製品・サービスを提供しているのも明電舎の特長だ。車両屋根上から架線の摩耗や高さなどをカメラで撮影して検測できる架線検測装置「カテナリーアイ」は、九州新幹線のほか、シンガポールのMRTにも採用されている。

鉄道の電化は、単に製品を納入するだけで実現するものではない。鉄道の安全・安定輸送を支えるのは現地での設備運用やメンテナンスである。そのためにも、明電舎では明電シンガポールをはじめ、現地でのモノづくりを重視している。製販一体となることで、現地でのニーズにきめ細かく対応できるとともに、これらのノウハウを現地で蓄積できるからだ。製品の納入に加え、これらの技術を継承するのも大切な使命だと明電舎は考えているのである。

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