親子でおさえたい
「センター試験」の動向と今必要な対策とは?
大学受験の専門家がポイントを解説
さらに将来的には、記述式の導入など、センター試験そのものが大きく変わる可能性があるという。センター試験は将来的にどうなるのか、そして今必要な対策は何か。センター試験当日の分析速報も予定しているZ会の中村氏に聞いた。
基本重視だからと侮れない現行のセンター試験
毎年1月に行われるセンター試験。国公立大学では原則としてセンター試験と個別試験の合計で合否が決まるため、いわば、1次試験の意味合いがある。また私立大学でも8割以上の大学が利用するなど、受験生にとって非常に重要な試験となっている。実際、センター試験は2016年度実績で出願者は約56万人にも上り、少子化が進む中でも近年は55万人以上の出願が続いている。Z会で大学受験コースを統括する中高事業部指導4課、課長の中村一貴氏は、「私立大学は大学によって出題傾向がかなり異なります。そのため個別の大学の受験対策とは別にセンター試験対策も十分に行っておくことが必要です」と語る。
最近のセンター試験にはどのような傾向があるのだろうか。「基礎・基本を重視しつつも、学力の差が出るように工夫された問題が増え、ここ10~15年で難度は上昇しています。たとえば、国語では基本的な読解力だけでなく、制限時間内で多くの問題を解く処理能力も問われるため、独自に対策を立てなければ合格基準に達するのは難しいと言えます。英語の設問もバラエティに富んでおり、グラフを絡めた問題や物語風の問題など、さまざまなジャンルの文章が出題されています」(中村氏)。
とくに文系の受験生の中には数学が苦手だという人も多いかもしれないが、数学におけるセンター試験対策の必要性を中村氏はこう指摘する。
「新傾向の問題や思考力を必要とする問題が増えています。自己流の計算でともかく答えを出せばいいというものではなく、センター試験独特の流れを踏まえて答えを出さなければならない問題になっています。そのため、記述式の問題は得意でもセンター試験は苦手という受験生も見られます。難度も高く、数学での失敗がセンター試験の結果に影響を与えることも多いので、徹底した対策が必要です。時間内に的確に問題に答えていくために、平常心を保つことも必要になってくるでしょう」
センター試験に対し、万全の対策で臨むにはどうすればよいのか。中村氏が重視するのが日常の学習だ。