
オープニング
代表取締役社長
福田 譲氏
不確実性の時代と言われて久しいが、実際にそうした事態が起きている。福田譲氏は、グローバルに事業を展開していると想定外のことが同時に複数起きることがあると指摘。ある企業経営者の言葉として、スピーディに対応できる体制を整えておくこと、逆風の状態でも飛行できる形にしておくことが大事だとした。そしてSAPが社内で行った調査を基に、社員の属性や行動などの可視化が重要であると訴えた。
基調講演I
Transform Your HR Strategy in a World of Digital Disruption
Chief Revenue Officer
Kerry Sain氏
企業の人事部は変革の時期を迎えている。単に給与や配属などを扱うだけではなく、戦略の一要素とならなければならない。Kerry Sain氏はそう話を切り出し、テクノロジーを活用して人事部が大きな付加価値を提供できるように変わっていくことを、旅になぞらえて説明した。そして複雑な人事のシステムをクラウド化することでシンプルに変わっていくとした。
「しかし、そのためのソリューションは、負担が少ない形で提案することが重要です。そうでなければデジタル化していく意味がありません」と強調し、SAPは使いやすさを意識したユーザーフレンドリーなソリューションを提供すると続けた。そして、同社製品のユーザーが世界に4500万人以上いるという実績を示し、これからもパートナーと組んで最高のソリューションを提供していくと語り、「人事の変革はまだ始まったばかりであり、止まることはない」と結んだ。
特別講演I
エーザイのグローバル経営を
支えるリーダーの育成
常務執行役
デピュティチーフタレントオフィサー
松江 裕二氏
予想外のことが起きる時代、人事には、ぶれない軸となる部分と、環境変化への適応が求められる部分がある。松江裕二氏は二つの面について話をした。まず、エーザイのグローバル・タレントマネジメントポリシーについて、共同化(患者様との共体験)を通じて患者様のニーズを理解し、同社の企業理念を体現する優秀な人財を育成していくことなどが基本だとした。
また、グローバル経営を支える次世代タレントの育成をするために、人財開発プログラム体系を構築していると指摘。その中の「E-GOLD」というプログラムはこれまでに100人近くが受け、39人のバイスプレジデントとマネージング・ディレクター、9人の執行役を輩出していると語った。そして人事施策がグローバル・ビジネスのパフォーマンス向上につながっているとし、もう一度、企業理念のグローバルな浸透が重要だと強調して講演を終えた。
パートナー講演
いまさら聞けないグローバル人事Ver.4.0とは何か?
先進企業に学ぶグローバル人事プラットフォームと人事データマネジメント
職能サポート事業部
人事・総務システムチーム 藤井 康昌氏
コーポレート戦略本部
タレントマネジメント課 兼 グローバル人事部
グローバル人事企画課
萩原 章義氏
執行役員パートナー
グローバルHRトランスフォーメーション
事業責任者
鵜澤 慎一郎氏
フォーチュン500と東証1部から消えた企業の割合を見ると、直近15年間で前者は半数近く、後者も3割近くになる。このデータを示して鵜澤慎一郎氏は日本も世界と同様に企業淘汰のスピードが加速しており、人事・組織領域も次の段階に入り、新しい戦略的人事になっていかなければいけないと指摘した。
そしてパナソニックの二人が登壇すると、萩原章義氏は、持続的な成長を実現するには国や地域を越えた適材適所を実行するためのグローバル人事プラットフォームが必要だとし、パナソニックはグローバル人事部を設置してグローバルな人事データベースを構築中と明かした。
また藤井康昌氏は、クラウド化によりIT側に求められるスキルが変わってくると指摘。泥くさく一緒に考えてくれるという理由からSAPとデロイト トーマツ コンサルティングをパートナーに選んだと語った。
SAP講演
Global Talent Management at SAP
Global Human Resources Chief Operating Officer Dr. Christian
Schmeichel氏
SAPは明確なタレントミッションを持っている。それは、何よりも人中心で考えること、一人ひとりのユニークなスキルや強みを育て、活かすこと、会社のビジョンを理解してもらい、明確なゴールを設定することなどであるとDr. Christian Schmeichel氏は紹介。優秀なタレントをそろえ、結果を出すことが目的であると強調した。
またSAP社内で調査したところ、膨大な時間がパフォーマンス管理に使われていることが判明。クラウド型タレントマネジメントシステム「SAP SuccessFactors」を使い、人事管理プロセスをシンプルにし、情報などをすべて統合することに成功したと明かした。タレントマネジメントには多様な道筋があり、企業の成熟度や方向性によって選択は違ってくる。「SAP SuccessFactors」をツールとして活用したことがSAPでも成功の要因となっており、この経験を各社に提供していきたいと述べた。
基調講演II
Transform HR with SAP SuccessFactors
SAPによる基調講演は、David Ludlow氏が講演をし、鈴木康弘氏が「SAP Success Factors」のデモンストレーションを行う形で展開された。その中でLudlow氏は、2000人を超すエグゼクティブなどに聞いたところ、データドリブン型の意思決定、フラットな組織など、デジタル勝者の共通項がいくつか見つかったと指摘。
日本企業はデジタルテクノロジーを上手に活用していないとし、SAPはユーザーインターフェースを見直すなど「SAP Success Factors」をさらに使いやすいものにしていくと語った。これを受けてデモを行った鈴木氏は、使いたいときに使いたいデバイスで使えることが重要だと語り、スクリーン上に「SAP SuccessFactors」の画面を表示しながら、継続性、インテリジェンス、拡張性などに優れているうえ、基本的な機能はすべてモバイル端末でも使えることを強調した。
特別講演II
アシックスにおける
グローバル経営に寄与する人事部門の取り組み
執行役員
グローバル人事総務統括部長
馬渕 裕次氏
2020年までの五カ年計画でアシックスは「顧客基盤の拡大」や「一貫したブランディング」などとともに「個人とチームの成長」をコア戦略として掲げている。馬渕裕次氏は、世界に対して働きかける人財が必要だと指摘し、グローバル競争に勝てるプロフェッショナルを育てる、人事システムと働く環境を整えて多様な社員の能力を最大限に活かす、外部からの人財登用も積極的に行うなどの方針を説明した。
そして、求める人財像としては、経営理念、ビジョン、スピリッツを実現できること、グローバルでコンピテンシーを発揮できることなどを挙げ、そのための人財開発プログラムについても詳述。グローバル人事の運営では、情報を正確に把握することなどが重要であり、これからは人事がビジネスの一翼を担う時代だと結んだ。
クロージング
人事・人財ソリューション事業本部 事業本部長
佐々木 聖治氏
佐々木聖治氏は、例年にも増して充実した内容だったとセミナーを振り返り、SAPがカスタマーライフサイクルに注目し、顧客がSAPのサービスを使いこなすためにコンサルテーションを行っていることや顧客専用のコミュニティサイトを立ち上げていることなどについて語った。最後に、参加者やパートナー企業に謝辞を述べ、盛況のうちに全プログラムを終えた。