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チャーチルの亡霊はトランプに取り憑くのか 米英が経済ナショナリズムで組むと危険だ

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パリにあるチャーチルの銅像。「戦争屋」とも言われた偉人の亡霊がトランプ米次期大統領を操るのか?  (写真: 旅人 / PIXTA)

米国のホワイトハウスに展示されているウィンストン・チャーチル英元首相のブロンズ像をめぐり、米国の右派勢力がデマを流している。その一つが、バラク・オバマ米大統領が就任時、英国への反感からブロンズ像を英国大使館に戻したという話だ。

実際には、オバマ氏はそのようなことはしていない。だが、この像を取り除いた方が賢明だったかもしれない。チャーチル崇拝は米国にとってまったく有益ではなかったからだ。

特に、ジョージ・W・ブッシュ氏は、大統領執務室にブレア元英首相から借り受けたチャーチル像のコピーを飾っていた。そしてチャーチル氏のような「戦時の大統領」「決定者」「偉大な指導者」に自身を模して軍事行動を好み、米国を愚かな戦争に引きずり込んだ。

現在の米英はチャーチル氏の意向と逆方向

米次期大統領のドナルド・トランプ氏がチャーチル氏のブロンズ像をどう扱うのかはわからない。ただしひとつ言えるのは、トランプ氏が訴える米国第一主義が、第2次世界大戦時のチャーチル氏とフランクリン・ルーズベルト米元大統領との関係性とは逆を行くということだ。

第2次大戦に米国が参戦する数カ月前の1941年夏、チャーチル氏とルーズベルト氏がニューファンドランドのプラセンシア湾上で会談した際にまとめられた大西洋憲章には、貿易の自由化、国際的な経済協力、社会福祉の推進など、トランプ氏が反対しているものすべてが含まれていた。

ドイツ敗戦後も、チャーチル氏は英国の地位にこだわり続けたものの、欧州統合自体は支持していた。英国がEU(欧州連合)離脱に走ることは、チャーチル氏の意向に反しているといえるだろう。

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【「特別な関係」の今後は?】

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