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11月17日、中小企業の勝ち残り戦略をテーマにしたセミナーが京都センチュリーホテルで開かれた。経営環境の不透明さが増し、人口減少で国内マーケットが縮小していく中で中小企業が生き残るにはどうすればいいのか。組織改革やIT活用、企業改革などさまざまな観点からの講演が展開された。
共催:セールスフォース・ドットコム 東洋経済新報社
後援:京都銀行 京都総合経済研究所

基調講演
日本経済の現状と課題

京都総合経済研究所
取締役調査部長
楢舘 孝寿

日本経済は2012年の11月を底に、ゆるやかな景気回復基調が続いていた。その背景には、アベノミクスによる雇用と所得環境の改善、企業収益の上昇、原油価格の下落による交易条件の改善などがある。ただ一方では、消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動減、消費マインドの弱さ、設備投資が力強さに欠けることなど、マイナス要因もあり、現在は足踏み状態にある。また、15年末には米国で利上げがあり、16年の初めには新興国や資源国経済の不振、さらに原油価格の一層の下落、国際金融市場の変動などの不安定要素もあった。そして英国のEU離脱決定で先行きは一段と不透明になり、米大統領選の結果が日米経済に与える影響を見極めるにはまだ時間が必要だ。楢舘孝寿氏は、まず日本経済と世界経済の現状をこう概観した。

そのうえで楢舘氏は、28兆円の経済対策による押し上げ効果が今後出てくるが、自律的成長に不可欠な内需に勢いがなく、米国新政権の保護主義的な政策も懸念されるとした後、京都の鉱工業生産指数、内閣府発表の景気動向指数、貿易統計、機械受注額など各種データを精緻に解説。国際通貨基金(IMF)の経済見通しでは低空飛行が続くとされているとし、今後アベノミクスの3本目の矢の「成長戦略」の結果が期待される。デフレからの脱却のカギを握るのは設備投資と個人消費だと語った。

課題解決講演
営業組織改革〜salesforce 営業マンの全てを公開〜

セールスフォース・ドットコム
コマーシャル セールス営業
執行役員 第4営業本部 本部長
浦 和広

セールスフォース・ドットコムは、マーケティングから代理店管理、営業支援、経営分析などを一元的に管理できるシステムで、これまで約25万社にシステム提供の実績があるクラウドカンパニーだと、浦和広氏は、まず自社を紹介。今年、熊本地震があった際には現地自治体からの要請を受け、2日間でシステムを立ち上げたエピソードを紹介し、同社のシステムは業種業態を問わずあらゆる企業をカバーでき、しかもシステム構築もスピーディだとした。次に、大分県の牧場が同社のシステムを導入している事例を、映像を使って披露。その中で牧場の経営者は「餌の量、原材料の仕入れなどを一元管理できるようになった。先を読みながら経営戦略を立てていくことが可能になった」と語っていた。

その後、同社自身が営業管理に導入している事例を詳細に解説。同社の営業は表計算ソフトを一切使わず、集計作業も必要ないので営業活動に専念できており、営業部員のトレーニング状況も一目でわかるなどと語った。さらに、同社の製品には今年、AIが組み込まれたことに触れてから、次の講演者である流体計画の導入事例を映像で紹介し、「何人かの経営者に聞いたところ、セールスフォースは的確に希望通りに動いてくれる。セールスフォースは裏切らない、と言われた」ことを紹介し話を終えた。

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