グローバルイシューに立ち向かう「知の拠点」へ

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いまなぜ、農学部なのか。
ひとの「いのち」の礎となる食、
それを支える農。

人口増加や環境問題、先進国と発展途上国の格差の拡大などに伴い、農業を取り巻く課題はより多様で複雑なものになっている。そんな時代だからこそ、農学部を開設することに大きな意義があるという。人間の根源である「いのち」とそれを支える「食」を見つめ直し、自然科学に人文・社会科学や食品栄養学を含めた幅広い分野の教育を「食の循環」という概念でとらえ、「食」と「農」にまつわる諸課題を解決する試みだ。

農学部では、農場実習を基盤とした学科横断型の授業を通じて、理論と実践を架橋した「食の循環」を体験できる学びを提供する。そして、持続可能な社会を実現するために、次代の農業のあり方を考究し、バイオサイエンスとアグリサイエンスの両面から科学的知見に基づいたアプローチを行う。

地球規模の課題に取り組む一方で、農村や自治体と協働するなど、地域に根ざした活動にも力を入れる方針だ。

グローバル化を見据えながら、どうすれば豊かな農業を育み、安全で安心できる「食」を構築していけるのか。変化し続ける社会に向け、龍谷大学はまさにそんな切実な問いを発しているように映る。

新時代のキーワードは、多文化共生。
国際交流拠点となる
キャンパスをめざす。

グローバル化についても龍谷大学は、その動きを今後さらに加速させる。農学部の新設を機に現在、瀬田キャンパス(滋賀県大津市)にある国際文化学部が深草キャンパス(京都市伏見区)に移り、新時代を見据えたキャンパスに再編される。キーワードは、多文化共生だ。

国際都市「京都」という地域性を生かした教学展開を図るとともに、社会科学系学部が中心の深草キャンパスに人文科学や国際展開に特色を持つ国際文化学部を加え、教学面でのさらなる充実を図る。移転に伴い、500人以上の多様な国からの留学生が在籍することになり、深草キャンパスは国際色豊かに生まれ変わる。また、留学生と日本人学生が共同生活を送る「りゅうこく国際ハウス」、留学生との交流スペースを設けた「新1号館(仮称)」の建設など、国際文化学部移転に向けてハード面の整備も進む。

グローバル化が進むなかで日本の高等教育は世界に通用するのか。この問いにどう答えるべきか。いま大学には教育の質の保証と同時に、その内容を社会に向けて明らかにする説明責任が課せられている。

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