グローバルイシューに立ち向かう「知の拠点」へ
グローバル化に伴う異文化間の摩擦や衝突、あるいは世界各地の食料問題・農業問題など、国境を越えたスケールで解決すべき社会的課題が山積する現代。知の拠点として、こうした課題にどう立ち向かうか。どんな役割を担い、どんな可能性を提供できるのか。大学は今、改めてその存在意義を問いただされている。
そんな中、10年計画で取り組みを始めている大学がある。未来を切り拓く人材を育てていくことで、こうした社会的課題に応えていこうというのだ。
そんな中、10年計画で取り組みを始めている大学がある。未来を切り拓く人材を育てていくことで、こうした社会的課題に応えていこうというのだ。
豊かな21世紀を築くためには
「食」と「農」の、地球的視野に立った
戦略が求められている。
激しく変化する世界のなかで生じてきた数々のグローバルイシューは、もはや特定の国や地域だけでは解決できなくなってきている。こうした問題に大学は、知の拠点としてどう向き合っていくべきか。
たとえば農業の問題。今、地球規模での人口増加に伴う食料不足や貧困問題が深刻化している。日本に目を向けると、食料自給率はわずか40%で、多くの食物を海外からの輸入に頼っている。国内では農業の担い手や後継者不足が問題となっており、休耕地も増える一方だ。食の安全・安心も求められ、また政府のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加表明により、今後は日本の農業の国際競争力を強化することも急務の課題である。こうした観点に立てば、「食」や「農」のサスティナビリティをどう考えるかということが、世界規模で重要な問題であることがわかる。