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ゲーム開発ツールを活用しバーチャルテスト環境を作る

ヤマハ発動機
技術本部 研究開発統括部
イノベーション研究部
知的システムグループ
主事 平松裕二氏

モノづくりの現場に限らず、パソコン上のシミュレーションでテストを行うことは珍しいことではない。用途ごとにさまざまな専用シミュレーションソフトも市販されている。

藤井氏は「ただし、私たちの目的である、レーザーセンサーのシミュレーションができるものはなく、機能を実現するためには、高額なオプションやカスタマイズが必要でした」と説明する。

平松氏はさらに、「金額もさることながら、欲しいものが手に入るまでに時間がかかるのもネックでした。仕様書を書いた3カ月後にようやくソフトができあがってくるというのでは話になりません」と加える。

Unity アセットストアではパーツデータが安価で大量に流通しており、これらをカスタマイズして使用すれば時間と費用が大幅に圧縮できる

課題解決の方法を探る中で、両氏が出会ったのが「Unity(ユニティ)」と呼ばれるツールだった。と言ってもUnityはシミュレーションソフトではない。米UnityTechnologiesが提供し、全世界で180万人以上の開発者が利用しているゲーム開発ツールである。「ゲームをつくるためのツールですから、3Dグラフィックス機能や、車両を動かすための物理エンジン機能、さらに当社独自のセンサーシミュレーションを可能にするプログラミング機能が備わっています。ソフト開発に必要なほとんどのメニューがあらかじめ用意されているので、実環境に近いシミュレーション環境を、自前で作ることができました」(藤井氏)というから驚く。

具体的には、テストコースの測量データをUnityに取り込み、バーチャルコースを作成。車両のコンピューターグラフィックスもUnityで描いている。レーザーセンサーの環境認識や、GPS、車両の運動モデルなどは、実環境で使っているノートパソコンの自作ソフトをそのままケーブルで接続しているという。「ゲーム開発ツールでありながら、タイヤと路面の摩擦係数や、障害物の大きさによる車両の動きの違いなどが忠実に再現されます。テストコースに行かなくても、主要な開発ができるようになりました」と藤井氏は喜びを語る。