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アナリティクスが創出する
新しいビジネス価値

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「ビッグデータ」がいま、企業経営に欠かせないキーワードになりつつある。IT技術の進化に伴い、日々扱うデータの量も膨大になっているが、単にこれらを蓄積するだけでなく、経営に生かすための質の高いアナリティクス(データの分析・活用)が不可欠になる。「データを将来予測につなげること、さらには、経営トップが率先してデータ活用に取り組むことが大切」と、そのポイントを指摘するのは、東京大学工学系研究科の元橋一之教授だ。

元橋 一之
東京大学 工学系研究科技術経営戦略学専攻 レジリエンス工学研究センター 教授
東京大学大学院・修士課程修了。通商産業省(経済産業省)入省。OECD科学技術産業局エコノミスト、一橋大学イノベーション研究センター助教授、東京大学先端科学技術研究センター教授などを経て2006年から現職。コーネル大学経営大学院修了(MBA)。慶応大学大学院・博士(商学)取得。 主な著作に『ITイノベーションの実証分析』『日本経済競争力の構想』『グローバル経営戦略』 

ビッグデータの活用で
ビジネスチャンスが
生まれる

―「ビッグデータ」という言葉に触れる機会が増えています。

元橋 ビッグデータに明確な定義はないのですが、その特長は三つのVで表すことができます。一つめは「Volume(量)」、データの量が膨大だということです。たとえば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでは、テラバイト(テラは1兆)クラスのデータが日常的にやり取りされています。ほかにも気象情報や位置情報などをはじめ、日々、さまざまな場所で膨大な量のデータが生まれ、記録されています。二つめは「Variety(多様性)」。テキストや数値だけでなく、写真や動画、たとえば音声ならばその口調というようにデータの種類が実に多種多様だということです。そして、三つめが「Velocity(新鮮さ)」。商品の売り上げ状況を瞬時にデータベースに反映する、あるいは人間の行動をセンサーなどでリアルタイムに把握するなど、その鮮度も一つの特長に挙げられています。

―ビッグデータをビジネスに生かしている例はすでにあるのですか。

元橋 カメラを内蔵した飲料自動販売機をご存じでしょうか。利用者の画像を分析して性別や年齢を推測するとともに、天候、気温、時刻などにより、推奨商品を表示しています。また、ネット上では、顧客の購入履歴や閲覧履歴をはじめとする膨大なデータを活用し、「おすすめ」商品を提示するサービスがありますが、こうしたビジネスモデルそのものがビッグデータの活用と言えます。

今後もさまざまなビジネスが生まれるでしょう。

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