アナリティクスが創出する
新しいビジネス価値
ビッグデータの活用で
ビジネスチャンスが
生まれる
―「ビッグデータ」という言葉に触れる機会が増えています。
元橋 ビッグデータに明確な定義はないのですが、その特長は三つのVで表すことができます。一つめは「Volume(量)」、データの量が膨大だということです。たとえば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでは、テラバイト(テラは1兆)クラスのデータが日常的にやり取りされています。ほかにも気象情報や位置情報などをはじめ、日々、さまざまな場所で膨大な量のデータが生まれ、記録されています。二つめは「Variety(多様性)」。テキストや数値だけでなく、写真や動画、たとえば音声ならばその口調というようにデータの種類が実に多種多様だということです。そして、三つめが「Velocity(新鮮さ)」。商品の売り上げ状況を瞬時にデータベースに反映する、あるいは人間の行動をセンサーなどでリアルタイムに把握するなど、その鮮度も一つの特長に挙げられています。
―ビッグデータをビジネスに生かしている例はすでにあるのですか。
元橋 カメラを内蔵した飲料自動販売機をご存じでしょうか。利用者の画像を分析して性別や年齢を推測するとともに、天候、気温、時刻などにより、推奨商品を表示しています。また、ネット上では、顧客の購入履歴や閲覧履歴をはじめとする膨大なデータを活用し、「おすすめ」商品を提示するサービスがありますが、こうしたビジネスモデルそのものがビッグデータの活用と言えます。
今後もさまざまなビジネスが生まれるでしょう。