グローバル・マネジメント・フォーラム2013
経営管理の世界標準化
クロスボーダーM&A
サプライチェーンマネジメントの実務
【講演Ⅲ】
「経営情報システムで支援する海外進出/M&A」
インフォアジャパンの石田雅久氏は、企業規模を問わずグローバルでシステムの標準化が進んでいると話し、「標準化はM&Aのメリットを享受するためにも必要」と繰り返した。標準化によって、本社は各現地法人の経営状況の把握が容易になり、在庫管理や連結処理の効率化、さらに共通のルール、プロセスでビジネスを管理できるためガバナンスにも有効で、システム維持費の低減にもつながる。ただ、現地が標準化に反発することも多く「本社と現地で導入チームをつくりコミュニケーションを蜜にとること。必要な機能を押さえたシンプルなシステムにすることが成功のポイント」と話した。
【特別講演】
「コクヨ、内需型企業のグローバル再成長戦略」
~“国の誉”から“アジアの誉”へ~
コクヨの北條元宏氏は「商品の差別化が難しい文具業界においてコクヨは、流通・商品・物流・生産・IT・商品開発の仕組みを構築することで成長を遂げてきた」と紹介。そのバリューチェーンの構築という強みを新興国で展開し、「各市場で100年支持される持続的再成長基盤をつくる」と訴えた。中国、インドでM&Aを行うも「M&Aはあくまでオプション。全社事業戦略全体ストーリー上にないものは避けるべき」と話した。デューデリジェンスでは重要争点・金額のウォークアウェイラインを明確に持つことがポイントだが、「ディールのクローズがはじまり」とPMIに手綱を緩めず取り組むことを強調した。