食品業界の小売・卸・メーカーが挑む ロジスティクス高度化の今
協賛:野村不動産

開会の挨拶

執行役員
都市開発事業本部
物流施設事業部賃貸住宅・ホテル事業部担当
塚崎敏英氏
現在、ロジスティクスを取り巻く環境が激しく変化している。これまで小売りや卸、メーカーが培ってきた歴史的な食品物流のあり方が、少子高齢化に伴い大きな変革の時期を迎えているからだ。実際、塚崎敏英氏は「ロジスティクスの再構築は今後の企業戦略の成否そのものにかかわってくる」と指摘。多くの企業にとって、ロジスティクスの再構築こそ、経営課題として取り組むべき最優先事項だと訴えた。
論点整理
「食品流通・物流高度化の新しい動き」

産業ITイノベーション事業本部
主席研究員
藤野直明氏
では、食品物流の世界は実際にどのように変化しているのだろうか。藤野直明氏は、まず食品流通・物流高度化の新しい動きについて、「食品流通・物流は新しい時代を迎え、本格的なイノベーションが始まっている。市場縮小・人材不足の中にあって、その動きは決して守りではない。むしろ、パラダイムシフトと言えるものだ。実際、海外では、すでにインダストリー4.0が動き出し、それは歴史的なイノベーションそのものといった様相を呈している」。
さらに藤野氏は、これからアジア地域で事業展開することは多くのグローバル企業にとって必須事項となっており、その展開方法も大きく変化しているという。
「注目すべきは、自社製品を扱うだけではなく、自社の物流ノウハウそのものをサービスプラットフォームとして新興国に展開するようになったこと。いわゆるサービスの輸出だ。これからはサービスのノウハウをソフトウエアにして展開する時代がくる。現地での人材育成が間に合わないというのは、言い訳に過ぎず、各企業は今後、ある領域では競争し、別の領域ではコラボレーションすることが必要となってくる。もう国内だけで戦っている時代ではない」と解説した。