アベノミクス時代における
分散投資の考え方

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定期的な
リバランスを忘れずに

分散投資をする場合、案外多くの人が見落としがちなのが、「リバランス」だ。リバランスとは、ポートフォリオのバランスを再調整することである。

たとえば100万円の資金を、日本株投信に50万円、海外株投信に50万円という比率で投資したとしよう。株価は常に変動しているので、投資した50万円が60万円になることもあれば、30万円に目減りすることもある。

上記の比率で1年間運用した結果、日本株投信が大きく値上がりして80万円に。一方、海外株ファンドは値下がりして30万円になったとしよう。この時の時価総額は、80万円+30万円で110万円。利益は出ているが、問題は両者の比率だ。

当初、50%ずつだった投資比率が、1年後には日本株ファンドが約73%、海外株ファンドが約27%になる。このまま運用を継続すると、当初のポートフォリオは日本株と海外株から受ける影響が半々だったはずなのに、1年が経過した時点では、より日本株からの影響を強く受けることになってしまう。

そこで日本株ファンド80万円のうち25万円を解約するとともに、海外株ファンドを25万円分買い増せば、両者は55万円ずつになり、当初の投資比率と同じになる。

ただし、リバランスはそれほど頻繁に行う必要はない。たとえば分散投資を投資信託で行おうとした場合、あまり頻繁に解約、追加購入を繰り返すと、購入時にかかる手数料相当分で、せっかくのリターンが目減りしてしまう恐れがあるからだ。もちろん「ノーロード」といって、購入時の手数料がかからないファンドであれば、コストの問題は解決できるが、そうでない場合は、1年に一度くらいの頻度でリバランスを行えば十分だろう。

このように、リスク資産での運用は、リスクを上手にコントロールすることにポイントがある。そのためには、資産クラス分散と時間分散という二つの分散投資を心がけるとともに、定期的なリバランスでつねに当初の投資比率を維持することが、成功のカギを握る。