「日本百選の滝」に水力発電は本当に必要か 高さ45メートル、景観が変わる可能性も

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滝川区の役員は2014年に誘致を働き掛け、鹿児島の発電所を見学するなどしてきた。農繁期や滝登りの際に取水を止めることや、稼働後に問題があれば水量を協議できる項目を盛り込んだ協定書案を作り、区会で諮る予定にしている。

同社は売電収入に応じた協力金を区に支払い、環境整備などで貢献する姿勢を示している。15年4月に区長を引き継いだ阿部栄さん(62)は「少子高齢化で地域の活力が弱まっている現状がある。将来を考えると、メリットはある」と受け止めているが、「区内では建設を歓迎する声と心配する声がある」とも話す。

業者は来年度の着工を目指す

滝川区の意向で進む計画に不満の声もある。滝登り実行委の60代男性は「随時、勇ましい水が流れてこその観音の滝。水が減った場合、滝登り以前に、観光地として成り立つのか」と不安がる。別の地区の60代男性も、旧七山村時代から滝周辺が観光地として整備されてきた経緯を挙げ「滝は滝川だけのものじゃない。計画はガラス張りで進めてほしい」と強調する。

市企画政策課は「再生可能エネルギーの推進自体はいいこと。市の環境条例に違反している訳でもない」と静観している。業者には地元の同意をしっかり取るように伝えているといい、協定締結時には立会人を務め、内容が履行されているか定期的に確認する方針。

同社はこれまで、計画に関係する滝川区や木浦区で計7回の説明会を開いたという。早ければ今月中にも滝川区と協定を結び、来年度にも着工したい考えだ。計画への不安が根強いことについては「反対を押し切ってまで計画を進めるつもりはない。要望があれば、どこでも説明したい」と話している。

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