グローバル経営支援セミナー メキシコ編 メキシコ経済の現状と経営上の留意点
メキシコ大使館商務部PROMEXICO、東洋経済新報社
【協賛】東京海上日動火災保険株式会社、郵船ロジスティクス株式会社(メキシコ)
東京会場のオープニングで、三菱東京UFJ銀行国際部門長の守村卓副頭取は、100社以上の日本企業が昨年、メキシコに進出したことに触れ「邦銀唯一のフルバンキングを行うメキシコ拠点と国内でサポート態勢を整えています」とあいさつ。
駐日メキシコ大使のクロド・ヘレル・ロサン閣下は「昨年12月に就任したエンリケ・ペニャニエト大統領は、
アジア最初の公式訪問国に日本を選んだ。パートナーとして日本を重視しています」と、両国間の貿易・投資拡大への期待を表明した。
【基調講演】
「新政権移行後のメキシコ経済・投資環境
~企業経営への追い風となるか~」
メキシコ三菱東京UFJ銀行の中村晃氏は、メキシコのビジネス環境について、豊富で低コストの労働力、世界45カ国と締結しているFTAなどを強みに挙げた。最大の貿易相手、米国のほか、南米向け輸出も増え「チリ、ペルー、コロンビアとの太平洋同盟創設で、さらに経済交流の進展が期待できる」と述べた。
ペニャニエト新政権は野党と協働で、財政・エネルギー・労働・教育・インフラ改革に着手。自動車産業だけでなく、交通・通信インフラ、石油関連プロジェクトに今後のビジネスチャンスの可能性を指摘した。
治安は依然として懸念材料ではあるものの、重犯罪は麻薬関係地域に集中し、時と場所に十分注意し安全対策を怠らなければかなりの部分は防げるとして、「日系企業進出の妨げにはならない」との見方を示した。メキシコのGDPが2050年に日本に迫るとの民間コンサル各社の予想もあり、中村氏は「改革が達成されれば、投資環境の魅力は高まり、日系企業進出には追い風となる。改革の動きを注視したい」と語った。