「ドイツ銀救済」を巡るドイツ政府のジレンマ

イタリアへの強硬姿勢があだに

 9月30日、イタリアに対し、経営難の銀行救済をめぐり公的支援をしないよう手厳しい注文を付けていたドイツ。しかしドイツ銀行の経営不安が表面化したことで、しっぺ返しをくらいかねない状況となっている。フランクフルトのドイツ銀本店で2015年6月撮影(2016年 ロイター/Ralph Orlowski/File Photo)

[フランクフルト 30日 ロイター] - イタリアに対し、経営難の銀行救済をめぐり公的支援をしないよう手厳しい注文を付けていたドイツ。しかしドイツ銀行<DBKGn.DE>の経営不安が表面化したことで、しっぺ返しをくらいかねない状況となっている。

ここ数カ月、イタリアの銀行の不良債権が話題となっていたが、現在は一転、ドイツ銀の問題が市場の関心事だ。イタリアのレンツィ首相は国営テレビ局RAIで「欧州連合(EU)は銀行の問題解決に全力を尽くすべきだと常に主張してきた。現在の注目の的はドイツ銀行だ」と語った。

国際通貨基金(IMF)も、ドイツ銀の問題は、他の大手行と比較しても潜在的なリスクは大きいと指摘している。

ドイツ、イタリアの両国政府は、イタリア大手行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)<BMPS.MI>の救済費用をめぐって対立してきた。イタリアは同行への機関投資家や、預金代わりに同行の債券を購入した小口投資家を保護したい意向だったが、ドイツはこうした投資家にも費用を負担させるよう要求していた。

ドイツの態度軟化も

ドイツ経済はイタリアよりもはるかに強いが、ドイツ銀の規模の大きさは、イタリアの銀行よりも深刻な問題を引き起こしている。2017年に総選挙を控えるドイツの政界も、有権者に不人気なドイツ銀への公的支援には反対している。

英シンクタンク、欧州改革センターのサイモン・ティルフォード氏は「ドイツは、イタリアに対してかたくなな態度を取り続けてきた。今回の事態で、ドイツは態度を軟化させるのではないか」との期待感を示した。

一方、欧州債務危機を通じて他国に注文をつける立場にあったドイツが変わるのは難しいとの指摘もある。欧州議会のドイツ出身議員、スフェン・ギーゴルト氏は「ドイツ銀行は悩みの種だ」と認める一方、ドイツが態度を変えることはないだろうと話す。「ドイツ人の傲慢(ごうまん)さは、もっと根深いところにある」という。

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