加速する、タイカの挑戦 タイカ
Top Interview
モノづくりを通じて世界の人々の生活を豊かにする「技術開発型企業」を目指す
― 創業以来、「曲面印刷技術」や「αGEL」など、前例のない革新的な製品を通じて市場を創出してきました。
鈴木 これらの製品の発明を通じて、世の中に驚きを提供してきたと自負しています。ただし、これらが力のある製品であったため、長らく頼り切ってしまったことは否めません。次代を見越した新たな挑戦が不可欠だと感じています。
そのために、私が代表に就任して以来、改めて「モノづくりを通じて世界の人々の生活を豊かにする」「技術開発型企業」という理念を再認識させる為のさまざまな打ち手を講じてきました。社内に「Smile・Think・Challenge」というキーワードと「Team Taica(チーム・タイカ)」というスローガンを掲げた取り組みもその一つです。
―「Smile・Think・Challenge」のキーワードには、鈴木社長のどのような思いが込められているのでしょうか。
鈴木 人々の生活を豊かにするために何が出来るかを明るく前向きに考える、失敗を恐れずに実践する、といった意味を込めています。この趣旨は、従来から社内ポスター等で掲示していましたが、今回敢えて海外モデルを起用した「Team Taica」のポスターを作成し、全世界の拠点に設置しました。
美しいビジュアルと簡潔な言葉で、視覚を通じた企業理念の浸透とグループ一体感の醸成を狙ったものです。
最近になって若い社員だけでなくベテランの社員からも「Smile・Think・Challenge」という言葉が聞かれるようになってきました。経営の意図が浸透し、同じベクトルで仕事ができるようになりつつあるという手応えを感じています。
― 本社にはアロマディフューザーが設置されていたり、エントランスのインテリアに凝ったりなど、一般的な製造業のイメージとはかなり異なります。
鈴木 IT系等の勢いのある企業を訪問すると、こういうオフィスで働くから斬新なアイディアや前向きな意見が活発に出るのだろう、という印象を持ちます。オフィスにおけるさまざまな演出は、お客様には、ソリューション開発企業でありたい、という想いをお伝えし、社内には、柔軟な発想で仕事に取り組むように、というメッセージを意図しています。
その一方で、応接室の壁を土壁にしたり、盆栽を設置したり、と敢えて伝統的な日本を演出しているのは、「日本発」の企業であることと、「ジャパン・クオリティー」を大切にしたいという考えからです。グローバル展開を志向する企業だからこそ、「事業の原点は何か」が重要だと認識しています。
外から見えにくいところでは、人材戦略も工夫しています。ベンチャー企業的な社風の中に、きちんと確立された業務プロセスや内部統制を融合させたいと考えており、さまざまな業種から多様なキャリアの人材を採用しています。
― すでに、中国、米国、カンボジア、メキシコなどに拠点を設置しています。グローバル展開も含めて今後の成長戦略は。
鈴木 やみくもに拠点の数を増やすことは考えていませんが、ニーズのあるところには積極的に進出したい考えです。当社の製品の特性から、アジアの新興国を含め世界での成長の余地はまだ大きいと考えています。
当社はBtoB企業としてお客様との積極的なコラボレーションを通じてさまざまな製品を生み出してきました。今後も当社製品の持つ多様な可能性を具現化し、モノづくりを通じて世界の人々の生活を豊かにする「技術開発型企業」を実践していきたいと考えています。