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品質や価値とのバランスの中で
戦略的に間接材コストの最適化を図ることが重要です。

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景気のサイクルの中で、日本企業は何度も構造改革という名のコスト削減を断行してきた。しかし、この先、競争が激化する世界のマーケットで生き残っていくためには、コスト削減ではなく「コスト最適化」を考えるべき――と欧州系最大の戦略コンサルティング会社、ローランド・ベルガーの日本法人会長であり、早稲田大学ビジネススクール教授も務める遠藤功氏は指摘する。そのあり方について伺った。
遠藤 功
早稲田大学ビジネススクール教授。株式会社ローランド・ベルガー会長。早稲田大学商学部卒業。三菱電機株式会社入社、米国ボストンカレッジ経営大学院に留学、MBAを取得。ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、2000年ローランド・ベルガー日本法人社長に就任、06年より同社会長。株式会社良品計画社外取締役。『見える化―強い企業をつくる「見える」仕組み』(東洋経済新報社)、『現場女子―輝く働き方を手に入れた7つの物語―』(日経新聞出版社)、『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)など著書多数。

常に引き締めるという意識が強い企業をつくる

―日本経済に少し明るさが見えてきた今、気になることがあるそうですが。

遠藤 バブル崩壊後の失われた20年で、日本企業はかなりコスト削減を推し進めてきました。生き残るために懸命に無駄を省き、業務を引き締めてきた結果、相当スリムな経営体質になっている企業が多いと思います。ただ、どんなに効率化を図ってきたとしても、ひとたび景気回復の兆しが見え、成長路線に戻りそうな気配が漂ってくると、「これくらいはいいだろう」と手綱が緩む。緩めば必ず業務は肥大化するというのが常なのです。

これまで日本企業は、成長局面においてはコストなどをあまり気にせず、パーッと費用を使えるだけ使い、どこかのタイミングで成長に陰りが出たり、利益が出なくなると急に構造改革に踏み切り、無駄についた贅肉を搾り取るということを繰り返してきました。しかし、激しいダイエットにはリバウンドがつきものです。引き締まった筋肉質で強いカラダを手に入れるためには、普段からトレーニングを欠かさず、メタボにならないための生活習慣を継続することが不可欠です。

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