健康経営で企業価値を高めるJAL アドバンテッジ リスク マネジメント

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専属トレーナーも乗務前のストレッチ指導を通じて心身の健康を支援

さらに、と今村氏は続ける。「義務化によるストレスチェックは、法律にのっとって行わなければなりません。そこはやはり専門家のサポートが必要ですし、そのほうが確実に遂行できるはずです。厚生労働省のガイドラインや法律の条文などについての解釈も丁寧にアドバイスしてくれますし、工程管理なども的確にサポートしてくれます。また、ARMは非常に多くの実績があります。当社と同じような業態の企業のストレスチェックも支援されていますから、参考になる点も多い。データも豊富に持っているので、いろいろな比較もできます」。また、JALのような全国に事業所を持つ企業ならではの評価もある。ARMは全国に精神科や心療内科の医師のネットワークを持っているため、地方のグループ会社の社員が面談をしたいときに、すぐにでも専門医を紹介できるのだ。

9月に約1カ月かけて行う本番のストレスチェックは、基本的にはインターネットを使って実施する予定だ。「今回は法改正後、初めての実施であり、まずは社員にストレスチェック制度の目的や内容をよく理解してもらい、いかに実施率を上げていくかが今後の大きな課題です。もちろん個々の社員には、ストレスチェックの結果をセルフケアに活用してもらい、いずれは集団分析を具体的な職場環境のさらなる改善に役立てていきたいと考えています」(今村氏)。

グループをあげて社員の健康づくりに取り組んでいる同社は、「健康経営銘柄」に2014年度、2015年度と2年連続で選ばれている。JALグループの社員および家族の1人当たりの医療費は、60歳未満の国民1人当たりの医療費に比べ、各年代平均で約2割低くなっているが、これも地道な取り組みの成果であろう。

「企業理念の実現のため、社員の健康管理はコストではなく投資というのが、私たちの考え方です」と、今村氏は明言する。社員の健康づくりが企業価値を高める――。JALグループを見ていて、あらためてその思いを強くした。

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です